2018 Fiscal Year Annual Research Report
Stratification of coronary event risk using membrane type matrix metalloproteinase expression on peripheral blood mononuclear cell
Project/Area Number |
16K09426
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宇隨 弘泰 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50313763)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス分解酵素 / 血糖変動 / 冠動脈不安定プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈疾患患者において、末梢静脈血を採取し、溶血処理後にフローサイトメトリーを用いて単核球表面における膜型細胞外マトリックス分解酵素(MT1-MMP)発現の計測を継続した。冠動脈病変の異なる病態におけるMT1-MMP発現を評価するため、急性心筋梗塞、不安定狭心症、陳旧性心筋梗塞、安定した労作性狭心症のそれぞれの患者において計測を行ってきた。また、28年度の推進方策となっていた、シーメンス社製のSOMATOM Forceが当施設に設置されており、本機器に附属されるプログラムにより冠動脈プラーク性状の解析が進んでいる。病態の違いにおける、MT1-MMP発現の違いも見られる検討結果が出てきている。特に急性冠症候群とされる急性心筋梗塞、不安定狭心症の患者群では他の冠動脈疾患群と比較して有意に高い発現となっている。また、CTより得られるLow-HU値とMT1-MMP発現の間に急性冠症候群においては相関の傾向がみられている。最終年度には、急性心筋梗塞患者の75%には何らかの糖代謝異常が合併していると報告されているため、これらの患者群に限っては24時間にわたる血糖変動を持続的に計測した。その結果、夜間の血糖変動がこれら患者群における血圧変動等、イベントリスクに大きく関与することを見出し、2018年3月開催の日本循環器学会学術集会(大阪)においてその研究成果を報告した。これらより冠動脈イベントのリスクに糖尿病の関与が大きく関与しているが、特に夜間の血糖変動による血圧変動の影響があることが明確になった。またこれら患者における細胞外マトリックス分解酵素の発現が有意に高く、イベント発症の誘因に、血糖変動の大小による細胞外マトリックス分解酵素の関与が強いことが導き出された。
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