2016 Fiscal Year Research-status Report
多施設共同弁膜症データベース構築および日欧米間の弁膜症疾患の特徴の比較解析
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16K09456
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大野 洋平 東海大学, 医学部, 講師 (80383884)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 弁膜症 / 大動脈弁 / 僧帽弁 / レジストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦においては、大動脈弁および僧帽弁疾患を系統的に網羅したレジストリーはほとんど存在せず、日本における弁膜症の傾 向および手術リスクが高く外科的手術が困難な患者の同定は、大動脈弁および僧帽弁領域いずれにおいても経カテーテル弁膜 症治療による介入を検討する上で、極めて重要な急務である。初年度の予定の一つであった、Tokai Valve Registryの立ち上 げを行い、患者登録を進めている状況である。また、国際学会に参加し、今後、日米欧における弁膜症患者の疫学、解剖、治療の比較検討・解析を行っていく研究協力者とも直接議論を行った。実際のデータベースの入力およびフォローアップデータの収集に関しては、現場の医師が中心に行っているが、医師のみではデータ入力ならびにフォローアップデータの完全な収集は困難であり、リサーチナースと共に協力していく体制を構築中である。 昨年度、当院においても、症候性重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が立ち上がり、その初期成績は極めて良好なものとなっている。治療開始に伴い、関連病院や近医からの紹介患者も増加しており、さらなる患者登録が期待される。一方、重症僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル僧帽弁形成デバイスであるMitraClipを使用した30例の国内臨床試験が昨年良好な成績で無事に終了となり、今年度中に保険償還下での使用開始となる可能性が高く、特に僧帽弁閉鎖不全症の患者のスクリーニングはますます重要となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レジストリーを構築するにあたり、倫理委員会による承認を受ける必要があり、その手続に時間を要したことが一因とかんが えられる。また、データの登録およびフォローアップデータについては、リサーチナースによる協力体制が必要と考えられる が、まだそのシステム構築には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Tokai Valve Registryの立ち上げからまだ日が浅いため、まずは、しっかりと患者登録を進めていき、フォローアップデータ をきちんと拾い上げられるシステム作りが今後継続的にデータベースをより質の高いものへとしていくために非常に重要であ ると考えられるため、効率よく、データの抜けが極力なくなるシステムの構築を目指していく。その上で、共同施設と連携を とり、日米欧の弁膜症の疫学、解剖、治療内容の違いにつき解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初、本弁膜症登録研究を軌道に乗せてから、Web入力システムへのアップグレードを考えており、そのためのネットワーク・セキュリティ管理費用などの資金として考えていたが、実際まだWeb運用とはなっていないため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この次年度使用額を有効活用するためにも、もう一度Web入力システムへのアップグレードを見直し、また、研究成果を学会発表および論文発表する際にも活用していきたい。
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