2017 Fiscal Year Research-status Report
T1マッピング法を用いた心筋症の組織性状および局所壁運動の評価に関する包括的検討
Project/Area Number |
16K09464
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
神崎 裕美子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80445999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 信和 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20270879)
寺崎 文生 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20236988)
山内 洋平 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30734587)
大関 道薫 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30774319)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 心臓MRI / T1mapping / 心機能 / 心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋症は、依然として予後不良の疾患である。背景にある病態・組織学的特徴の解析は、背景にあるファブリーなどのmetabolicなもの、あるいはアミロイドーシスなどのdeposition disease、さらに、サルコイドーシスや心筋炎などの炎症性の疾患の診断、鑑別に重要な役割を果たすが、組織サンプリングには一定のリスクが伴い、取得できるサンプルに限りがあり、充分な情報が得られにくい場合も少なくない。心臓MRIはその非侵襲性、被曝がないことから、日常臨床でも多く用いられるようになってきた。新しい心臓MRIによる心筋の質的診断―T1マッピング法は、組織が固有のT1緩和時間をもつことを利用し、組織ごとのT1値(Native T1)から、造影剤の使用なしに、ガドリニウム造影遅延像と同等の情報を得ることが可能となり、造影剤投与前後の撮影を行うことで、心筋組織の細胞外容積分画(extra-cellar volume fraction, ECV)の計算により、心筋全体の線維化や心筋障害の程度の定量も可能となった。本研究の目的は、CMRのT1マッピング法のデータと、他の方法(ガドリニウム遅延造影、心筋シンチグラフィ、心筋生検、バイオマーカー)で得られる情報との比較検討により、T1マッピングの心筋症の診断・重症度の判定・予推定にどのように用いられるべきであるかについて包括的に検討することを目的としている。 MRIの機器のバグにより開始が遅れたが、2017年1月1日よりT1mappingの撮影や臨床データの収集を開始し、現在まで約80例で撮像。 2018年3月に心臓MRI解析ソフトを購入し、順次画像解析をおこなっている。今後それらのデータをもとに、臨床データと照らし合わせながら意義の検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心臓MRIのT1mappingのシークエンスがMRI本体とのバグ (bug)がでて使用が不能となり、メーカー側に改善をお願いしたが、使用できるようになったのが約1年遅れて、2017年1月からとなった。その後は、当初の予定と通り週1例撮影が可能となった。また、T1mappingの解析に専用ソフトが必要であったが、病院からの取り出したMRI画像の解析ができず、その原因をメーカー側に依頼し、解決ができたのが2017年12月となった。その後解析が行えるようになったが、遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2017年1月よりまで、心臓MRI検査にて、ルーチンでT1mapping, T2mapping, T2 star撮影を追加している。それらの解析が、2017年12月より可能となり、また専用のワークステーションを2018年3月購入し、その後画像解析を行っている。今後それぞれの撮像方法にて得られる値と背景疾患については解析を行っているが、今後心機能、臨床像との解析、遅延造影部との比較を行うとともに、心不全バイオマーカーについて検討する予定である。また心筋生検をおこなった症例では、その組織像と比較検討を行う予定である。さらに心筋シンチを施行した症例では、dyssynchronyの解析評価を予定している。また、症例の5年後、10年後の予後を検討することにより、心筋症の実態把握と生理的な意義について解析し、将来的な治療方針改変につなげたいと考える。
|
Causes of Carryover |
心臓MRI解析ソフトの購入がバージョンアップが遅れたため、2017年3月となったため。 今年度は解析にかかるハードディスクなどのメディア、消耗品、さらに学会発表、論文の英語校正の費用を予定している。
|
Research Products
(8 results)