2017 Fiscal Year Research-status Report
血管機能検査による内腸骨動脈塞栓に伴う臀筋跛行の予測
Project/Area Number |
16K09471
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 大二朗 東北大学, 大学病院, 講師 (40420012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 均 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00400333)
橋本 宗敬 東北大学, 大学病院, 助教 (10375040)
大内 憲明 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (90203710)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 臀筋跛行 / 腹部大動脈瘤 / 腸骨動脈瘤 / 内腸骨動脈塞栓 / トレッドミル歩行負荷試験 / 血管機能 / 血管内皮機能 / 血管平滑筋機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤手術は破裂を予防するために不可避の治療ではあるが、術後のQOL低下をきたし得る合併症の一つに臀筋跛行がある。これは腸骨動脈領域に動脈瘤が及ぶ場合に臀筋への主たる血液供給路である内腸骨動脈を閉塞した症例の約1/4に生じると言われている。ステントグラフト治療が全盛の昨今、内腸骨動脈を閉塞したことによりADLの低下を来した患者が増加していると考えられる。我々は内腸骨動脈閉塞時の血流代償機転には側副血行路の血流調節機能が関与していると考えており、この調節機構は側副血行路の血管機能に依存していると推察している。そこで、内腸骨動脈塞栓を伴うステントグラフト治療術後の臀筋跛行出現の有無・重症度と血管機能との関連を明らかにして内腸骨動脈再建の適応において血管機能による新たな基準を提示することを目的に研究を行っている。 研究開始後、現在のところ10名の患者が登録されてる。術前の血管機能と歩行能力(近赤外線分光法を用いたトレッドミル歩行負荷試験、および6分間歩行)を評価した後に手術を行い、術後の歩行を継時的に前向きに評価している(手術毎月一回、6ヶ月後まで)。現在、登録途中であるが内腸骨動脈塞栓を行ったほぼ全症例に程度の差はあるが臀筋跛行が出現し、多くの患者は時間の経過とともに回復している。今後、さらに症例登録を増やし、内腸骨動脈塞栓後の臀筋跛行の自然経過を明らかにして血管機能との関連を解析する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初は年間10症例程度の登録を見込んでおり、2年を経過した段階の予定では20症例を超えていると見込んでいた。しかし、初年度の大半を当施設の倫理委員会の承認手続きに要したことが進捗が遅れている大きな理由である。また、昨年末に内腸骨動脈再建用のステントグラフトデバイスが市販されたため、内腸骨動脈閉塞手術例がやや減少傾向にあることも進捗の遅れの原因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
内腸骨動脈瘤塞栓を実施するステントグラフト治療患者の登録は現行の基準で進めていく。また本研究の主目的は内腸骨動脈閉塞に伴う臀筋跛行の自然経過を明らかにすること、臀筋跛行と血管機能との関連を明らかにすることの二点であるため、開腹手術において内腸骨動脈を閉塞する症例の解析も行う方向で検討している。この場合、本研究に関連する研究課題として東北大学倫理委員会に申請して審査を受けた上で実施する。
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Causes of Carryover |
今年度の実施症例が予定登録症例を下回ったことと、消耗品の破損が見込みよりも少なかったため繰越金が生じた。今年度は研究が円滑に進んでいるため、症例の蓄積が見込まれるので繰越金を含めて使用する方針である。
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