2016 Fiscal Year Research-status Report
夏の室温上昇は睡眠障害・夜間血圧上昇と関連するか?-カフレス脈波血圧を用いて-
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16K09478
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
佐伯 圭吾 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60364056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30596656)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 室温 / 夜間血圧 / 睡眠の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの国で冷暖房が完備された現代においても、外気温の低下と上昇は、死亡率上昇と関連しており、13 か国384 地域の分析から、74,225,200 人の死亡のうち7.71%が外気温の変動によると推測された。冷暖房による室内環境の調整によって、どの程度の死亡を抑制できるかを明らかにするには、室温と疾病頻度の関連を明らかにする必要があるが、室温と疾病頻度に関する先行研究は乏しい。夏の室温の上昇による死亡率上昇の一因として、睡眠障害と夜間血圧上昇が挙げられる。 夜間血圧は、日中血圧より強く心血管の罹患・死亡率や総死亡率と関連する。カフ式ABPM を用いて測定した夜間血圧が夏に上昇したとする報告があるが、室温との関連は不明である。また、夜間血圧の上昇は室温上昇による睡眠障害に起因する可能性もある。従来のABPM では、カフ収縮による刺激が睡眠を妨げるため、血圧と睡眠の質を同時に評価することが難しかった。 本研究では夏の室温の実態を900 名の高齢者で調査し、さらにカフレス脈波血圧計を用いた夜間血圧とアクチグラフによる睡眠の質を同時測定し、室温との関連を検討する。当初の予定では、1週間に30名ずつの環境・血圧・睡眠の測定を春(5-6月)、夏(7-9月)、秋(10-11月)にそれぞれ150人ずつ、合計450名の測定を完了する予定であったが、実際には春(5-6月)に124名、夏(7-9月)204名、秋(10-11月)176名の合計504人の測定を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、1週間に30名ずつの測定を実施し、春(5-6月)、夏(7-9月)、秋(10-11月)にそれぞれ150人ずつの測定を完了する予定であったが、春(5-6月)、夏(7-9月)、秋(10-11月)にそれぞれ、124名、204名、176名の測定を実施できたため、おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も、春(5-6月)、夏(7-9月)、秋(10-11月)にそれぞれ150人ずつの測定を行い、データ整理を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定より、やや事務消耗品の使用が少なく、残金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の事務消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(25 results)