2017 Fiscal Year Research-status Report
夏の室温上昇は睡眠障害・夜間血圧上昇と関連するか?-カフレス脈波血圧を用いて-
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16K09478
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
佐伯 圭吾 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60364056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30596656)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 夏の室温 / 自由行動下血圧 / 睡眠障害 / アクチグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
科学技術が進歩した現代においても、外気温の低下と上昇は、死亡率上昇と関連しており、13か国の分析から、74,225,200 人の死亡のうち7.71%が外気温の変動によると推測されている。冷暖房による室内環境の調整によって、どの程度の死亡を予防できるかを推測し、疾病予防に適切な温度環境を明らかにするためには、室温と疾病頻度の関連を明らかにする必要があるが、先行研究は乏しい。 夏の室温の上昇による死亡率上昇の一因として、睡眠障害と夜間血圧上昇が挙げられる。夜間血圧は、日中血圧と比べて強く心血管疾患の死亡率と関連する。自由行動下血圧測定の結果によると、夜間血圧が夏に上昇したとする報告があるが、室温の変動によって夏の夜間血圧がどの程度変動するかは不明である。また夜間血圧の上昇に、室温上昇による睡眠障害が関与する可能性があるが明らかではない。本研究の目的は、春(5-6月)、夏(7-9月)、秋(10-11月)の夜間血圧とアクチグラフによる睡眠の質を測定し、夏の室温上昇と夜間血圧や客観的睡眠の質との関連を明らかにすることである。 平成29年度は、春、夏、秋の期間で合計470名の居間および寝室の室温測定、自由行動下血圧測定を行い、それぞれの対象者の日中血圧の平均値と、夜間の血圧平均値、日中血圧と比べた夜間血圧の降下度などの指標を算出した。併せて、アクチグラフを用いた1週間の客観的睡眠測定を行い、総睡眠時間、睡眠効率、入眠潜時、中途覚醒時間を算出した。またピッツバーグ睡眠質問票を用いて主観的睡眠の質の測定を行った。ほぼ当初の予定対象者数を達成した。本研究に関連する学術的成果として、複数の関連論文が英文科学雑誌に採択・掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に予定していた450名を超える対象者数の測定を完了し、平成27年度からの通算対象者数も965名と、当初の予定(900名)を上回ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成27年および28年に測定したデータの整理と分析を行う予定である。
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Research Products
(14 results)