2017 Fiscal Year Research-status Report
定量的3D血流イメージを用いた血管再生治療後の微小血流評価
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16K09482
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太良 修平 日本医科大学, 医学部, 講師 (80465319)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血流予備能 / 重症下肢虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管再生治療の適応患者が予想を下回り、RIとのフュージョンによる3D血流イメージ構築には至っていない。しかし、膝下動脈に限局する病変を有する重症下肢虚血に対して、血流予備能を用いた虚血重症度の評価を行った。目標サンプル数に達していないため、統計解析は行っていないが、虚血の重症度と血流予備能の低下には相関がありそうであり、現在までの観察において、血流予備能の低下している患者では、創傷治癒が遅延している傾向にある。また、血管形成術後に血流予備能は上昇する傾向にあるため、血管形成術による血流改善を示唆しているものと考えられた。病因によっても血流予備能に違いがありそうであり、透析患者や膠原病患者では明らかに低下していた。これらは、血管造影の所見や他の血流測定では、違いが認められなかった項目であり、引き続き症例を増やすとともに経過をフォローしていく。また、同様の傾向が血管再生治療でも認められることを今後確認していく。 一般的に下肢血流の指標としてABIが用いられることが多い、しかし、血管形成術後、ABIが著明に改善したにもかかわらず、血流予備能の改善が認められない症例も数例いた。このような症例は創傷治癒に至っていない場合が多く、経皮酸素分圧、皮膚組織還流圧など、他の微小血流評価方法との比較・検討が必要と考えられた。 課題としては、測定中のエラーである。生食投与のスピード、センサーの留置位置など標準化が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管再生治療の適応となる患者数が予定を下回った。 コントロールとなる血管形成術を行った患者に対する血流予備能測定は予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
血流予備能測定が、虚血重症度、予後予測に有用である可能性が示されつつある。 血管再生治療は予定数に達しない可能性が高く、今後は、重症下肢虚血患者の血管形成術症例を増やし、統計解析を行う。学会発表、論文等の誌面発表も予定している。
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Causes of Carryover |
症例の登録に若干の遅れが生じ、購入予定であったカテーテル関連のデバイス費用が使用されなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、目標症例数を達成できるように今まで以上に症例登録を積極的に行う。
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