2017 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連の心血管病変の実態および臨床経過に関する検討
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16K09483
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
石坂 信和 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20270879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝間田 敬弘 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60224474)
寺崎 文生 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20236988)
神崎 裕美子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80445999)
藤田 修一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80722628)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈周囲炎 / 動脈周囲炎 / 大動脈弁膜症 / 臓器特異的診断基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓血管手術により取得された大動脈壁と大動脈弁サンプルに網羅的なIgG4染色を施行し、IgG4陽性形質細胞浸潤が10/HPF以上かつIgG4/CD138比が40%以上認められるものの頻度について検討している。トータルで282サンプルの評価が予定通り終了している。大動脈壁143サンプルのうち、19サンプル(14%)で、大動脈弁では、4/143(2.3%)で上記の条件を満たすものは満たしていた。これらの症例の中で、血清IgG4値が評価できたサブグループを対象として、IgG4陽性細胞浸潤を認めるケースと認めないケースにおける血清IgG4値を比較検討している。 もう一つの目標として、IgG4関連の大型血管炎について、臓器特異的な診断基準の策定がある。こちらについては、厚生労働省研究班と日本循環器学会から参加されたメンバーにより、複数回のミーティングを経て、「IgG4関連大動脈周囲炎/動脈周囲炎および後腹膜線維症」の診断基準策定を行い、関連領域を含む日本腎臓学会理事会にても承認されている。実臨床では、手術後の評価でIgG4関連疾患が疑われても、術前の血清IgG4測定が行われていないなどの状況に対応すべく、組織学的な所見からの診断、および、他臓器で確診がついている場合における診断などにポイントをおいた診断経路を設定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、当面の目標については、おおよそ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 組織学的検討により、23サンプルに、IgG4陽性細胞の浸潤(>10/HPFかつIgG4/CD138>40%)をみいだすことができた。組織未染切片を用いて、他の臓器において、IgG4関連疾患とそれ以外の鑑別に有用とされているFoxp3やIL-17などの組織染色を行い、大動脈壁や大動脈弁において、これらのマーカ―の発現について評価する。 (2) 臓器特異的な診断基準の公表に向けた作業をするとともに、公表以降を見据えた、症例登録や、難病指定の申請フォーマットに必要な項目についての学術的な解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度の使用額に残がある点については、IgG4免疫染色のコストを、発注量が多いため、ディスカウントできたことも関連がある。 上記のように、追加の免疫染色に加え、血清における自己免疫関連のバイオマーカーについての検索を行う予定である。また、これまでに得られた、手術サンプルにおける免疫染色の結果について、論文公表、学会発表などを行っていく。
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Research Products
(6 results)