2017 Fiscal Year Research-status Report
大動脈弁狭窄症の発症抑制を目指したmicroRNA解析
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16K09490
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 准教授 (40359568)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 / 石灰化 / Micro RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では高齢人口の増加とともに大動脈弁狭窄症(AS)の有病率が増加している。高齢者の大動脈弁石灰化の有病率は高率で、5年で約9%がASに進行する。ASの危険因子は動脈硬化と共通するが、ASの半数は動脈硬化を合併せず、脂質低下療法を含めAS進行抑制に有効な薬物療法がない。近年、様々な疾患の発生にノンコーディングmicroRNA(miRNA)の関与が明らかとなり、AS進行への関与も示唆されている。本研究では、まずASおよび大動脈弁逆流患者の大動脈弁組織を用い、AS進行に関与するmiRNAを選定する。大動脈弁置換術時に採取した大動脈弁組織を用い、石灰化に関係することが報告されているmiRNAの発現状況を解析した。 ブタ大動脈弁間質細胞を採取・培養し、石灰化を誘導する培養液(OM)による刺激を行い、miRNAの発現状況を解析した。次に、候補miRNAのmimicまたはinhibitorをトランスフェクションし、石灰化が抑制されるか、石灰化に関与する遺伝子発現に与える影響を検討した。今後は、候補miRNAのmimicまたはinhibitorを投与開始後に、マウス大動脈弁ワイヤー傷害ASモデルを作成し、大動脈弁圧較差を心エコーで継時的に観察している。またワイヤー傷害後4-16週間で、大動脈弁の組織学的検討を行っている。In vitroおよびin vivoでの実験を繰り返し、AS進行抑制の治療標的を検索し、創薬の可能性を探る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大動脈弁狭窄症(AS)および大動脈弁逆流患者において大動脈弁置換術時に採取した大動脈弁組織を用いて、miRNAの発現状況を解析した。さらに、ブタ大動脈弁間質細胞を採取・培養し、石灰化を誘導する培養液(OM)による刺激を行い、miRNAの発現状況を解析した。両者の検討で、同様な傾向を示すmicro RNAを候補miRNAとして、選定した。これら候補miRNAのmimicまたはinhibitorをブタ大動脈弁間質細胞トランスフェクションし、石灰化が抑制されるか、石灰化に関与する遺伝子発現に与える影響を検討した。現在、マウス大動脈弁ワイヤー傷害ASモデルを作成し、大動脈弁圧較差を心エコーで継時的に観察している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、候補miRNAのmimicまたはinhibitorを投与開始後に、マウス大動脈弁ワイヤー傷害ASモデルを作成し、大動脈弁圧較差を心エコーで継時的に観察している。またワイヤー傷害後4-16週間で、大動脈弁の組織学的検討を行っている。候補miRNAが大動脈石灰化を抑制するメカニズムを検討している。
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Causes of Carryover |
(理由) 予定されていた予算はほぼ使用したが371円わずかに残金が生じた。 (使用計画) 来年度に消耗品購入に使用する予定である
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[Presentation] Inhibition of MicroRNA-34a Attenuates Osteogenic Differentiation via Inhibiting Notch1 Signal in Aortic Valve Interstitial Cells2017
Author(s)
Toshima T, Watanabe T, Shishido T, Watanabe K, Sugai T, Takahashi T, Tamura H, Nishiyama S, Arimoto T, Takahashi H, Kubota I
Organizer
American Heart Association
Int'l Joint Research