2018 Fiscal Year Annual Research Report
The investigation of the role of early-postnatal expressing genes in cardiomyocyte proliferation
Project/Area Number |
16K09497
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 康弘 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (20565585)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 心筋分化 / 細胞増殖 / 心発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋細胞の増殖能が失われる出生後早期に発現が変化する遺伝子群のうち、細胞増殖制御に関わる候補遺伝子を同定し、その分子機能の検討を行った。心臓での経時的発現変化を示す遺伝子群の一部は非心筋細胞由来であった。心筋細胞に発現し出生後経時的に発現低下を認める遺伝子のうち、CRP1(Cysteine and Glycine Rich Protein 1)は培養細胞(H9C2:rat cardiomyoblast cell line)において、ノックダウン、過剰発現の系ともに増殖能に促進的に働く結果を示した。CRP1のファミリー分子で心筋細胞に継続的に発現し、心発生に必須であるMLP(Muscle LIM Protein)とは増殖能および遺伝子発現制御においてCRP1は異なる作用を持つことを見出し、CRP1の発現はMLPの作用を修飾する可能性が示唆された。このような胎生期から出生後早期に限定的な遺伝子発現は増殖能を含めた心筋細胞機能の違いに関与すると考えられる。MLPは心筋症を来すヒト変異が知られ、一アミノ酸変異により心筋細胞の病的異常を来すが、分子病態は不明であることから、MLPの一連のヒト変異体ベクターを作成・検討し、培養細胞レベルで細胞内局在の異常を認めることを見出した。さらにCRP1、CRP2についてもヒト変異体の検討を行い、CRP1のヒト変異体で分子機能異常を持つものを新たに見出した。MLPの心筋細胞における分子病態やCRP1のヒト変異の病的意義については不明であることから、さらなる分子病態の検討は心血管系疾患の発症メカニズムおよび疾患における遺伝的要因の意義の理解を進める上で重要と考えられる。
|