2018 Fiscal Year Annual Research Report
Vaccine development for renin angiotensin system
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16K09514
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (30311757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡山 弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60710093) [Withdrawn]
中神 啓徳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レニン / アンジオテンシン / ワクチン / 糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロレニンは不活性レニン前駆物質として知られていたが、近年(プロ)レニン受容体((P)RR)を介した炎症を惹起するシグナル経路が報告されている。糖尿病患者においてプロレニン濃度は高く、(P)RR阻害が糖尿病性網膜症、腎症に対して有効であることが示されており、ワクチンを用いた治療法が確立できれば、一度に長期的で効率の良い治療効果が期待できるため社会的メリットは大きいと考えられる。 我々はProsegment配列から3種類のワクチンを設計しマウス(C57BL/6J)に免疫したところ、Handle領域を含む配列で免疫したマウスで高い抗体価を示した。さらに血清中抗体の特異性を検討したところ、 レニンには反応せずプロレニンにのみ特異的に反応しプロレニン特異的なワクチンの構築に成功した。さらに薬効評価として2型糖尿病モデル(db/db)マウスをプロレニンワクチンまたはコントロールで3回免疫し(8週齢、10週齢、17週齢)、抗体価はワクチン群にて12週齢より上昇を示したが、コントロール群と比較して体重、随時血糖には影響は見られなかった。しかしながら網膜電図を用いて網膜神経機能の評価を行ったところ、網膜神経障害はワクチン群では有意な改善が認められた(16週齢、20週齢)。グリア細胞の細胞培養系において、アンジオテンシンIIの添加に比してプロレニンの添加で炎症性サイトカインの発現が有意に高いことから、プロレニンを直接的に阻害する意義は大きいと考えた。さらに糖尿病性腎臓病を組織染色にて病理的評価を実施したところ、 コントロール群で認められた腎糸球体肥大などはワクチン群において改善していることがわかった(20週齢)。これによりプロレニンワクチンが糖尿病性腎臓病に対して改善効果があることが示唆された。
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Research Products
(4 results)