2016 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性睡眠時無呼吸フェノタイプ診断プログラムの構築および診断機器の開発
Project/Area Number |
16K09526
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 浩正 東北大学, 環境・安全推進センター, 准教授 (90361162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 一 東北大学, 環境・安全推進センター, 教授 (60333788)
色川 俊也 東北大学, 環境・安全推進センター, 准教授 (70375179)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 上気道機能 / 呼吸調節機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、閉塞性睡眠時無呼吸の成因に基づいたフェノタイプ診断プログラムの構築・診断機器開発・治療法確立を目的としており、平成28年度は、フェノタイプ診断プログラムの構築のため、PSG検査において測定できる指標の検討および測定法について検討してきた。上気道機能を評価する指標として吸気開始圧を用いることとし、吸気圧を測定するためにピエゾ素子を胸郭に貼付し、胸腔内圧(食道内圧)および口腔内圧との関係について基礎的データを収集した。この指標を利用することにより、呼吸ドライブおよび吸気開始時の胸腔内圧・口腔内圧が評価可能となる。PSG検査時においては、睡眠時の吸気流速が生じるための吸気圧が明らかとなり、閉塞時の上気道機能の状態を評価することが可能となる。また、無呼吸再開後の呼吸ドライブを評価することが可能となり、呼吸調節機能を評価するために必要な指標ともなりうる。呼吸調節機能を評価する指標として呼吸調節反応度を用いることとし、呼吸調節反応度は、閉塞性無呼吸直後の再開呼吸時の、最大呼気CO2および最低酸素飽和度と、最大呼吸量および呼吸ドライブとの関係から求めることとした。そのために、酸素飽和度とともに、PSG検査時に連続的に安定した呼気CO2記録を行う必要があり、そのための測定技術の改良をおこなってきた。呼気CO2は、圧センサーの鼻カニューラから、呼気ガスの一部を呼気CO2測定器に流す回路を製作した。呼気CO2は、有効換気量の他に、換気血流不均等や肺循環が影響するため、呼気CO2評価の意味を明らかにするために、呼気CO2とともに、呼気O2およびスパイログラムで評価できる機器を製作し、現在データ収集中である。上気道機能評価として、PSG検査とは別に、安静吸気時の陰圧負荷による吸気速度の変化を利用することを考えており、現在開発中の陰圧負荷安静呼気測定機器の改良を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者のフェノタイプを明らかにすることを本研究の目的の一つとしているが、そのデータの収集はまだ行われていない。口腔内圧・胸腔内圧・呼吸ドライブの指標として考えているピエゾ素子センサーによる測定方法および貼付部位について現在も検討中であるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
ピエゾ素子センサーについては、早急に測定方法および貼付部位について、結論を出し、PSG検査時に、ピエゾ素子センサーを用いて、呼気CO2とともに評価する予定である。それと平行して、覚醒時の呼吸調節検査を行い、PSG検査時の呼吸調節機能と比較する予定である。上気道機能においても、覚醒時に安静吸気時の陰圧負荷時の吸気速度の変化の測定を、機器の改良が済み次第おこない、PSG測定時の上気道機能指標と比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
PSG検査による閉塞性睡眠時無呼吸の患者での測定が行われていません。そのため、次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PSG検査および、日中の呼吸調節および上気道機能測定のために協力していただける被検者の謝金として使用していく予定です。
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