2016 Fiscal Year Research-status Report
Geno-endo-phenotype解析による重症喘息病型形成・増悪の機序解明
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16K09535
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 久子 京都大学, 医学研究科, 助教 (60359809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 忠雄 京都大学, 医学研究科, 医員 (40747862)
小熊 毅 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50601324)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アレルギー・喘息 / IL4RA / periostin |
Outline of Annual Research Achievements |
重症喘息の病型・増悪に関する遺伝学的背景について、平成28年度には吸入ステロイド治療下で比較的安定な値をとり、2型気道炎症を反映しうる血清ペリオスチン値に着目し、その高値群と非高値群に層別化し増悪に寄与する遺伝学的背景を検討した。血清ペリオスチン高値(95 ng/mL以上)群では、IL-4受容体α(IL-4, IL-13の両刺激を伝える)阻害剤のpharmacogenetic study (Slager et al. JACI 2012)で同定されたIL4RA多型rs8832のGGとADAM33 T_2のAアレルが、気流閉塞と独立して増悪に寄与することを報告した。 またADAM33 T_2のAアレルは、discovery cohort, replication cohortとも、末梢血好酸球数と末梢血好中球がいずれも高い混合炎症群に集積することを明らかにした(Sunadome H, Matsumoto H, et al. Clin Exp Allergy Epub ahead of print)。 また血清ペリオスチン非高値(95 ng/mL未満)群では、IL4RA多型rs8832の非GG、ORMDL3の多型が、直近の増悪と独立して増悪に寄与することを明らかにした(石山、松本、他。第57回日本呼吸器学会学術講演会で発表)。 総括すると、本年度は2型炎症のエンドタイプで層別化することで、表現型(喘息増悪例)に関わる遺伝子多型の同定ができる可能性を示した。 エンドタイプから症候群的疾患である喘息の増悪に関わる遺伝子多型を明らかにした報告は、これまでになく非常に意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学院生を中心に、精力的に遺伝子解析を行っており順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討から、血清ペリオスチン値は、そのコード遺伝子であるPOSTNのrs3829365の非GGとIL4RA多型rs8832非GG群では、他に比べ有意に低値であることを見出しているため、同遺伝子の組み合わせを用いて、ORMDL3の多型と増悪のリスクを検討する。Dicovery cohortではPOSTNrs3829365の非GG, IL4RArs8832非GGの組み合わせがある例では、ORMDL3の多型と増悪のリスクについて有意な関連を認めた。Replication cohortにてその関連を検証する。またIL18多型や他の感染・自然免疫などに関わる分子の遺伝子多型と組み合わせ、微生物の気道への定着などとの関連、また増悪との関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
予備実験に時間を予想よりも費やした為に、試薬類の消費が予想よりも少額であった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、DNAのバイサルファイト処理量が増える為、引き続き額は速やかに消費されると予想される。
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