2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel biomarkers for the risk of COPD and prognosis
Project/Area Number |
16K09547
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
金子 猛 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90275066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新海 正晴 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (10535214)
原 悠 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70806299)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ヘムオキシゲナーゼ-1 / 慢性閉塞性肺疾患 / 急性肺障害 / 間質性肺炎 / 急性増悪 / 酸化ストレス / 炎症 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘムオキシゲナーゼ-1(hemeoxygenase-1: HO-1)は32kDaのheat shock proteinであり,炎症,酸化ストレスに対し細胞保護的に作用する.これまでCOPDをはじめとして,珪肺症, 慢性緑膿菌感染症, 急性肺障害,間質性肺炎において, 病態を制御機構としての役割が示唆されている。これらの疾患や疾患モデルでは, 肺細胞におけるHO-1の発現が検討されているが,血清値の臨床意義は不明であり,また,測定法も確立されたものがなかった.今回,我々は,血清HO-1の測定法を新たに開発するとともに,COPD を含む各種呼吸器疾患におけるバイオマーカーとしての有用性について検証を行った. 血清HO-1の測定には,ImmnonoSetTM HO-1 (human), ELISA development set (Enzo, Farmingdale, NY) に改良を加えたassay bufferを用いたsandwich ELISA法を使用することで,従来の測定法よりも高感度に血清HO-1を検出することを可能にした.血清HO-1の喫煙者あるいはCOPD患者における検討では,非喫煙者,現喫煙者,COPD患者の順に血清HO-1は低値を示し,長期喫煙に伴うHO-1の肺細胞保護作用の減弱が示唆され, 喫煙者においては, 血清HO-1がCOPDの発症リスクを予測するバイオマーカーとなる可能性が示唆された.一方で,診断時血清HO-1に関して,ARDS患者では,生存患者に比べ,死亡患者において高値であり,経時的にも持続高値を示した.間質性肺炎急性増悪(AE-IP患者)においても同様に,安定期IP患者に比べて高値であり,生存患者に比べ死亡者で高値であった.したがって,血清HO-1は疾患活動性や予後予測のバイオマーカーとなる可能性が期待される.
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Presentation] 間質性肺炎(IP)における予後予測マーカーとしての血清ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の有用性に関する検討2018
Author(s)
品田佳那子, 原 悠, 長井賢次郎, 室橋光太, 池田美彩子, 佐々木寿, 湯本健太郎, 中島健太郎, 牛尾良太, 木村泰浩, 柴田祐司, 田代 研, 渡邉恵介, 篠田雅宏, 佐藤 隆, 川名明彦, 新海正晴, 金子 猛
Organizer
第58回日本呼吸器学会学術講演会
-
[Presentation] COPDにおける血清ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)値に関する検討2018
Author(s)
湯本健太郎, 原 悠, 室橋光太, 品田佳那子, 池田美彩子, 中島健太郎, 木村泰浩, 牛尾良太, 柴田祐司, 田代 研, 長井賢次郎, 渡邉恵介, 篠田雅宏, 小林信明, 山本昌樹, 佐藤 隆, 工藤 誠, 新海正晴, 金子 猛
Organizer
第58回日本呼吸器学会学術講演会