2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患における肺-消化管ネットワーク:Autophagyからの機序解明
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16K09549
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
木村 弘 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (20195374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 恒一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90364059)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80271203)
山本 佳史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00458035)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 栄養学 / 慢性閉塞性肺疾患 / 腸内環境 / Autophagy / Gut-lung axis |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙者の約20%しか発症していない。近年腸内環境の変化が呼吸器疾患の発症に関与することが注目されており、我々は動物モデルを用いて全身性疾患としてのCOPDの発病における肺-消化管ネットワークの重要性を明らかにしてきた。しかしこのネットワークのメカニズムに関しては、明らかにするまでには至っていない。 われわれはAutophagy(自食作用)に着目し、調節因子であるLC3Bの血中レベルが喫煙者で低下し、COPD患者ではさらに低下していたことから、Autophagyの低下がCOPD発症に関与する可能性を見出した。これらの研究成果から『全身性疾患としてCOPDの発症には肺-消化管ネットワークが関与する』との仮設を立てた。腸内環境の悪化とAutophagyの関連性を明らかにし、COPD発症機序を『腸内環境-Autophagy連関』というあらたな観点から解明することが本研究の目的である。 本年度はAutophagy関連マーカとして用いられている血中mitochondrial DNA(Mit DNA)レベルをCOPD患者で測定するとともに、日本人、白人等の人種差についても検討するため、現在データを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1) 腸内環境の解析および動物実験担当の研究分担者が本年度他施設に異動したため便の解析および動物実験の進行が遅れている。 2) Autophagy関連マーカとして用いられている血中Mit DNAレベルを測定したが、COPD患者では、これまでに測定したLC3Bとは異なる傾向が認められた。そのためMit DNAについての詳細な評価および解析とLC3B測定方法の検証が必要になったため、研究の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Mit DNAについての詳細な評価および解析とLC3B測定方法の検証を行いつつ、登録できているCOPD患者の血液および便の解析を速やかに施行し、臨床データとの関連性について検討する。さらに昨年度予定していた動物実験も行い、基礎的データもあわせて収集し解析する。
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Causes of Carryover |
共同研究者の友田恒一が、2018年10月に、奈良県立医科大学から川崎医科大学に転籍になり、研究の遅延が生じたために次年度に継続研究が必要となった。研究計画の変更は必要ありません。
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[Journal Article] Effectiveness and Outcome of Pulmonary Arterial Hypertension-Specific Therapy in Japanese Patients with Pulmonary Arterial Hypertension2018
Author(s)
Tamura Y, Kumamaru H, Satoh T, Miyata H, Ogawa A, Tanabe N, Hatano M, Yao A, Abe K, Tsujino I, Fukuda K, Kimura H, Kuwana M, Matsubara H, Tatsumi K
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 82
Pages: 275-282
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 過粘稠性肺炎桿菌による重症肺炎・肺膿瘍の 2 例2018
Author(s)
鏑木翔太, 蛸井浩行, 田中 徹, 渥美健一郎, 林 宏紀, 藤田和恵, 齋藤好信, 阿部信二, 木村 弘, 久保田 馨, 清家正博, 弦間昭彦
Organizer
第228回日本呼吸器学会関東地方会
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[Presentation] 肺血管拡張薬の有効性を認めた慢性閉塞性肺疾患に伴う肺高血圧症の一例2018
Author(s)
鈴木彩奈, 渥美健一郎, 戸塚猛大, 二島駿一, 田中 徹, 柏田 健, 林 宏紀, 藤田和恵, 齋藤好信, 清家正博, 弦間昭彦, 木村 弘
Organizer
第232回日本呼吸器学会関東地方会
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