2016 Fiscal Year Research-status Report
ドライバー遺伝子異常肺癌の薬剤耐性機序における長鎖ノンコーディング RNAの意義
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16K09592
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30366687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野呂 林太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50366738)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低分子RNA / 肺癌 / 薬剤耐性 / 分子標的薬 / ドライバー遺伝子 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肺癌のEGFR-TKI,ALK-TKI,MET-TKIなどの分子標的薬耐性と癌幹細胞(CSC)に関わるlncRNAの意義を明らかにし、分子標的薬耐性克服法の確立、根治を目指した臨床応用を目的とする。本研究の大きな3本柱は、①EGFR-TKI,ALK-TKI,MET-TKI耐性およびCSC/EMTに関わるlncRNAの同定②再発時の再生検検体を用いたlncRNA発現の検証③候補lncRNAの機能解析と耐性克服法の開発である。今年度は、Afatinib(AF)、Osimertinib(OS)に対するEGFR-TKI耐性株(PC9-AF、PC-OS、HCC827-AF、HCC827-OS)、Crizotinib(CRR)、Alectinib(ALR)、Ceritinib(CER)に対するALK-TKI耐性株(H2228-CRR、H2228-ALR、H2228-CER)、MET-TKI耐性株(EBC-1R)を樹立し、一部の耐性株において、CSC/EMTの特徴を有することを確認した。これらの樹立した耐性株と親株およびEGFR-TKI自然耐性株(H1975, H1650)を含む合計14細胞株を用いて、lncRNA array(Agilent Sure Print G3 Human Gene Expression 8x60K v3)にて網羅的lncRNAプロファイリングを施行した。感受性株4株に対して耐性株10株にて共通して発現上昇(1.3倍以上)している9個のlncRNA(lnc-C6orf118-1,lnc-CHAD-5等)および発現低下(0.7倍以下)している9個のlncRNA(lnc-TMCC1-4、lnc-CACYBP-1等)のスクリーニングに成功した。初年度研究遂行は予定通リであり、目標は達したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EGFR-TKI耐性株、ALK-TKI耐性株、MET-TKI耐性株を樹立し、網羅的lncRNAプロファイリングを施行し、薬剤耐性に関わるlncRNA候補のスクリーニングに成功し、研究の第1段階での目標は達したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度にスクリーニングした薬剤耐性に関わるlncRNA候補の発現の検証をqRT-PCRを用いて行う。またCSC/EMT表現型耐性細胞株におけるlncRNA発現プロファイルを検討する。さらに、EGFR-TKI/ALK-TKI再生検検体におけるlncRNA発現の検討および候補lncRNAの機能解析および標的遺伝子/相互作用/miRNAの同定を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、計画通リ、主に樹立した耐性株のlncRNAアレイ解析に使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降は、計画通リ、候補lncRNAの検証および機能解析のためのqRT-PCR試薬、タンパク質発現解析試薬等に用いる予定である。
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