2017 Fiscal Year Research-status Report
IL-18,IL-38制御による炎症性肺疾患の治療
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16K09595
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
星野 友昭 久留米大学, 医学部, 教授 (00261066)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | IL-38 / 気管支喘息マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
新しいサイトカインIL-38(IL-1F10)はIL-1ファミリーに属し、気管支喘息や乾癬の悪化に関与すると考えられるIL-17を抑制すると報告された(Proc Natl Acad Sci U S A. 2012)。しかしながら、IL-38の機能はよく判明していなかった。本研究では、新規サイトカインIL-1ファミリーIL-38に注目し解析を行った。申請者らは、C57BL/6(B6)バックグラウンドIL-38遺伝子欠損(KO)マウスを作製した。IL-38KOマウスでは野生型(WT)マウスより、IL-1beta, IL-6産生増加し、リウマチ(RA)マウスモデルの関節の炎症が悪化する。加えて、一部のリウマチ患者の血清中にIL-38が高値であることを報告した。以上より、IL-38はRAマウスモデルでは抗炎症性サイトカインの機能を持つことを証明した(Biochemistry and Biophysics Reports 2015)。そこで、IL-38制御による気管支喘息治療の可能性に着目した。IL-38リコンビナンントタンパク作成、抗IL-38モノクロナール抗体等を樹立した。抗IL-38モノクロナール抗体はeBioscienceから世界中で販売されている。予想に反して、IL-38欠損(KO)マウスは気管支喘息マウスモデルではIL-5等の炎症性サイトカインが減少し好酸球による気道炎症が減少し、その結果気道過敏性も有意に低下した。これらの結果は、IL-38は炎症促進性(pro-inflammatory)と抗炎症性(anti-inflammatory)の両方の機能を持つサイトカインである可能性を示唆された。また、IL-38は肺がんの進展(PlosOne 2017)と間質性肺炎(IPF)と抗がん剤による薬剤性肺障害の結果に関与している可能性が示唆された(Respiratory Investigation 2017)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究でIL-38はRAマウスモデルでは抗炎症性サイトカインの機能を持つことを証明した(Biochemistry and Biophysics Reports 2015)。 IL-38リコンビナンントタンパク作成、抗IL-38モノクロナール抗体等を樹立した。抗ヒトIL-38モノクロナール抗体(H127C)はeBioscienceから世界中で販売されている。 予想に反して、IL-38欠損(KO)マウスは気管支喘息マウスモデルではIL-5等の炎症性サイトカインが減少し好酸球による気道炎症が減少し、その結果気道過敏性も有意に低下した(Kurume Medical Journal in press)。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトの検体を用いてIL-38の解析を行いたい。
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Research Products
(4 results)