2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of a novel parathyroid-related gene KANSL1-L complicated of polycystic kidney disease and male infertility
Project/Area Number |
16K09634
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
鍵弥 朋子 関西医療大学, 保健医療学部, 助教 (50717650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊治 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (50275351)
畑村 育次 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (80336883)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / 尿細管拡張 / 雄性不妊 / KANSL1L |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに副甲状腺亢進症関連遺伝子としてKANSL1Lを同定し、その遺伝子破壊マウスを作製したところ、多発性嚢胞腎の形質を示した。さらに無精子症であり雄性不妊であった。そこで我々は精子形成不全と腎障害の発生に共通したメカニズムがあるのではないかと仮説を立て、以下の実験を行った。 まず着目したのは、抗老化遺伝子Klothoで、Klothoは主として腎尿細管、副甲状腺ホルモンを分泌する副甲状腺主細胞、脳脈絡膜などに発現し、生体内や組織でのカルシウム代謝の関りが示唆されている。しかしながら、KANSL1LのKOマウス腎でKlotho遺伝子の発現の有無を調べたところ、野生型との間に明らかな違いはみられなかった。 嚢胞腎の始まりである尿細管拡張を組織学的に調べたところ、2週齢の若年から観察された。また若年期は雌雄とも同様の組織像を呈した。嚢胞が大型化し腎が線維化するのは雄のみの60週齢頃で、血中尿素窒素はそのころを境に急上昇し、腎機能の低下がうかがわれた。またKO雄マウスの全例が多発性嚢胞腎症となるわけではなく、発症率は半数程度であった。またKANSL1-L蛋白は腎の近位尿細管、遠位尿細管に発現することを免疫組織化学染色で確認し、嚢胞化は近位尿細管を中心に起こっていることが示唆された。 次に嚢胞化に着目し、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の原因遺伝子PKD1、PKD2について発現の状態をRT-PCR法を用いてKANSL1L KO腎で調べたところ、野生型との間に有意差はなかった。しかしながら、嚢胞形成時期の腎臓と精子形成開始時期の精巣についてKANSL1L KOと野生型の間でcDNAマイクロアレイ解析をおこなったところ、何れの臓器においてもKANSL1-LとPKD遺伝子が関与する一次線毛形成の関係が強く示唆されたので、現在更に解析中である。
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Research Products
(1 results)