2016 Fiscal Year Research-status Report
メタボリック症候群における脳腎連関メカニズム~AGEs-RAGE系の役割
Project/Area Number |
16K09637
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
深水 圭 久留米大学, 医学部, 教授 (80309781)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | AGEs / RAGE / 脳腎連関 / メタボリック症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回は、AGEs-RAGE系の腎障害進展と脳機能との連関を今回検討することとし、メタボリック症候群モデルを作製し検討を行った。6週令雌SDラットに60%HFD + 0.1mg/ml Glucose + 0.1mg/ml Fructose(HFD+G+F)を与え、10週間飼育した。飼育10週間後(16週令)における体重・血圧、血糖を測定し、代謝ケージにて蓄尿し、尿アルブミン排泄量、酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdG濃度をELISAにて測定しその後、16週令の健康雄と交配し、妊娠・出産後も臨床に即した形でHFD+G+Fを与えた。新生仔は雄・雌両者をエントリ―し、20週経過を追った後に、代謝ケージで採尿、sacrificeし、血漿、血清、脳、腎臓、心臓、大血管を採取、のちの実験のため4%ホルマリン固定と各種臓器凍結保存を行った。新生仔は雄雌それぞれ4patternに分け、それぞれNF/NF群、HF+G+F/NF群、NF/HF+G+F群、HF+G+F/HF+G+F群に群別し検討を行った。、high Fat+high fructoseをラットに負荷しAGEs,RAGEの免疫染色を行った。その結果AGEsについては糸球体に過剰蓄積を確認し、RAGEについてはポドサイトに強染色することが判明した。脳のパラフィン切片にてAGEsを染色すると、βアミロイドに一致した部位にAGEsの染色がみられたが、RAGEについてはあまり変化なかった。以上より、アプタマーを投与するとなると、RAGE-アプタマーよりもAGEsアプタマーが有益である可能性があるが、現時点ではアプタマーはBBBを通過できないとのこともあり、今後はAGEs-アプタマーになんらかの修飾を負荷し、脳のAGEs除去を目指したアプタマーの創薬について検討していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルに関しては順調に作製できており、AGEsの蓄積についても確認が出来たことは今後の研究の進展を考えると妥当であり、結果としても仮説通りであった。しかし、RAGEの染色性があまり強くなく、関与としては小さいと考えるならば、AGEsアプタマーに今後は着目して脳腎連関を断ち切るツールとして開発をしていく必要がある。昨今のアプタマーはBBBを通過しないと言われているため、今後はBBBを通過するAGEsアプタマーの作製が必要である。そのためのアプタマーへのなんらかの修飾を考えていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実際にBBBを通過するAGEsアプタマーを作製し、雌SDラットの皮下に、AGEs-アプタマーを、浸透圧ポンプを用いて皮下に埋め込み持続的に投与する。AGEsEアプタマーの代謝・動態を確認するために、AGEs-アプタマーをATPにてラベルし、雌SDラットの皮下に浸透圧ポンプを埋め込み、交配出産後、母ラット、新生仔の腎臓・脳を含む各種臓器、血液、尿を採取し、チェレンコフカウンター法にて経時的に計測することで、RAGE-アプタマーの代謝・動態を観察する。続いて6週令の雌SDラットの皮下にAGE-アプタマーを浸透圧ポンプにて、持続投与し、HF+G+F負荷を与え、10週間飼育する。4週間ごとに新たなAGE-アプタマーを充填した浸透圧ポンプに交換し、アプタマーを投与していない16週令の雄ラットと交配し、妊娠・出産後、新生仔を2群(HF+G+F群、NF群)に分け、20週間観察する。腎臓では尿アルブミン排泄、尿中8-OHdG、尿中Ngal、尿中NAGレベルを観察し、sacrificeする。腎臓、脳の組織AGEs染色、PAS染色、Masson’s Trichrome染色による形態学的な変化の改善を観察する。さらに新生仔の血清AGEs濃度を、ELISAを用いて検討する。さらに、AGE-アプタマー投与が慢性+急性腎障害→脳傷害に与える影響を調べるために、AGEs慢性投与・腎虚血再灌流にて慢性傷害、虚血を惹起し、脳障害の進展度をpimonidazole、HIF-1も含めた種々の上記マーカーにて確認する。
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[Journal Article] L-carnitine supplementation improves self-rating depression scale scores in uremic male patients undergoing hemodialysis2017
Author(s)
Kyoko Tashiro, Yusuke Kaida, Sho-ichi Yamagishi, Hideharu Tanaka, Miyuki Yokoro, Junko Yano, Kazuko Sakai, Yuka Kurokawa, Kensei Taguchi, Yosuke Nakayama, Takahiro Inokuchi, Kei Fukami
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Journal Title
Letters in Drug Design & Discovery
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Compared effects of calcium and sodium polystyrene sulfonate on mineral and bone metabolism and volume overload in pre-dialysis patients with hyperkalemia2017
Author(s)
Yosuke Nakayama, Kaoru Ueda, Sho-ichi Yamagishi, Miki Sugiyama, Chika Yoshida, Yuka Kurokawa, Nao Nakamura, Tomofumi Moriyama, Goh Kodama, Tomohisa Minezaki, Sakuya Ito, Akiko Nagata, Kensei Taguchi, Junko Yano, Yusuke Kaida, Kazutaka Shibatomi, Kei Fukami
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Journal Title
Clinical and Experimental Nephrology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant