人工透析を対象とした災害対応型地域連携医療情報システムの実証研究

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K09641
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 笠井 暁史 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (60771053)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 医療情報 / 地域連携 / 透析

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は透析の患者情報や施設情報を、地域の人的・金銭的負担をかけずに共有する災害対応型地域連携医療情報システムを設計し、実証システムを構築・検証することにある。
平成30年度は平成29年度に構築した検証システムを元に試験運用を実施中であり、匿名化された透析記録が日々自動的にサーバーに蓄積されている。また、研究者の所属病院では、昨年度に大規模なシステムリプレースが行われ、病院情報システムが変更されたため、新システムとの連携のための開発を行った。システム連携はSS-MIX2を介しているため、開発は最小限で実装された。
研究者自身により開発した検証システムは、試験運用を行いつつ改良を重ねている。また、検証システムの試験運用は昨年度研究者が所属した病院内に構築したシステムの他に、クラウド環境での検証のため、クラウド上に構築し研究協力病院およびクリニックからアクセスして利用するシステムの２つのシステムによって行われている。
また、地域連携透析情報システムの基本設計のための情報収集を元に基本設計理念及びプロトタイプの概要、透析関連情報の標準化・正規化、検証システムの概要について、日本透析医学会にて発表を行った。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

システム開発の一部を業者に委託する予定であったが、速度の確保や高いセキュリティの担保のため開発費が高額となり、当初より規模を縮小し研究者自身で開発を行う方針に変更したため。
また、研究代表者が大学病院から一般病院への異動により、研究環境が変化したため。

Strategy for Future Research Activity

研究者自身により構築した検証システムを試験運用を行いつつ引き続き改良を重ね、クラウド環境下でのシステム運用により問題点の抽出および課題解決を行う方針である。

Causes of Carryover

(理由) 平成30年度の使用実績は該当年度の所要額を下回った。その原因としては、1).開発を外部委託せず研究者自身で行ったこと、2).研究代表者の大学病院から民間病院に異動となり、研究環境が変化したことが挙げられる。
(使用計画) 研究者自身の研究時間の確保を推進するため、外部から大学病院へのアクセスを。システム開発業者へ委託を行わない方針としたため、前年度に引き続き予算が余る可能性が考えられる。

Research Products

• [Presentation] 地域連携透析医療情報システム実現への課題 (2018)
  • Author(s): 笠井 暁史
  • Organizer: 日本透析医学会学術集会・総会