2016 Fiscal Year Research-status Report
Fetuin-A/CPPによるPEW・MIA症候群の成立機序の解明
Project/Area Number |
16K09649
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 克仁 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60382040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒尾 誠 自治医科大学, 医学部, 教授 (10716864)
森岡 与明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30382154)
庄司 哲雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40271192)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | fetuin-A / CPP / PEW / MIA症候群 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性腎臓病(CKD)・透析(HD)患者における代謝・栄養異常であるPEW(protein-energy wasting)と、さらに低栄養・慢性炎症・動脈硬化を主徴とするMIA症候群に対するCPP(fetuin-A-containing calciprotein particle)の関与について検討している。 CKD・HDにおける骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)は血管石灰化促進につながるが、fetuin-Aは過剰なリン・カルシウム負荷に対してコロイド粒子CPPを形成することで、血管を含む異所性石灰化を抑制する防御因子と考えられていた。しかし、近年、過剰に形成されたCPPが血管を含む様々な臓器障害を誘導する可能性が指摘されている。特にHD患者は低栄養・るいそうを呈することが多いことから、本研究ではCPPの標的細胞・臓器として脂肪に焦点を当てている。 そこで、CPPの3T3-L1脂肪細胞に対する影響を検討したが、CPPはインスリン刺激による細胞内への糖取り込みは変化させなかった。またCPPの3T3-L1脂肪細胞における炎症惹起作用を検討するため、Real-time quantitative RT-PCRを用いて、経時的に(CPP添加後1, 3, 7日)、代表的な炎症性サイトカインであるIL(interleukin)-6、TNF(tumor necrosis factor)-αの発現も検討したが、ともに有意な変化は認められなかった。同様に脂肪細胞分化に関与するPPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)γについてもCPPの影響を検討したが、有意な変化は認めなかった。一方、CPPはインスリン非刺激下で3T3-L1脂肪細胞の糖取り込みを促進していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎研究では、当初、CPPが脂肪細胞において、インスリン刺激による糖取り込みを低下させ(インスリン抵抗性)、炎症性サイトカインの発現を誘導することを想定していたが、検証の結果、否定的である。しかし、CPPは3T3-L1脂肪細胞におけるインスリン非刺激下での糖取り込みを促進していることが確認された。 臨床研究では、CPP測定のアッセイ系の確立に向けて検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究では、CPPの3T3-L1脂肪細胞におけるインスリン非刺激下での糖取り込み促進作用に着目している。すなわち、糖取り込み促進作用は、CPPのlipolysis(脂肪融解)作用を反映している可能性を考え、CPPによる培養液中のグリセロール放出を検討予定である。また、脂肪組織における炎症には、マクロファージ浸潤が強く関与しており、CPPのマクロファージ遊走に対する影響も検討する。 臨床研究では、CPP測定における標準物質として合成CPPを使用し、アッセイ系の安定を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は基礎研究での検討が中心であり、他の研究費より捻出可能であった。また、予定していた国際学会への参加も見送ったため、次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、in vitroの検討に加えて、マウスを使用したin vivoも予定しており、また臨床検体の測定も計画しており、支出の増加が見込まれる。
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Research Products
(5 results)