2018 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of fetuin-A/CPP to PEW and MIA syndrome
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16K09649
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森 克仁 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60382040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒尾 誠 自治医科大学, 医学部, 教授 (10716864)
森岡 与明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30382154)
庄司 哲雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40271192)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | fetuin-A / CPP |
Outline of Annual Research Achievements |
Fetuin-Aは肝で合成され血中に分泌される約60kDaの多機能糖蛋白質で石灰化抑制作用を有する。腎不全・透析患者では、fetuin-Aは過剰なリン・カルシウム負荷に対して、コロイド粒子(fetuin-A-containing calciprotein particle: CPP)を形成することでリン酸カルシウム結晶の成長を抑制する。最近、この形成されたCPPが血管を含む様々な臓器障害を誘導する「CPP病原体説」が提唱されており、CPPの生理的、病理的意義が注目されている。 腎不全、透析で認められるprotein-energy wasting (PEW)におけるCPPの病的意義を検討するため、3T3-L1脂肪細胞に合成CPPの添加を行ったが糖代謝をはじめ、著明な影響を示さなかった。 しかし、合成CPP添加は培養肝細胞(HepG2)における約60kDaのfetuin-A蛋白発現(fully modified fetuin-A: FM-Fet)を著明に増加させた。しかし、興味深いことにCPPはfetuin-AのmRNA発現には影響を与えなかった。Fetuin-Aは翻訳後修飾を受けるため、O- およびN-glycosidaseを使用したところ、CPPにより誘導されたFM-Fetのバンドは下方にシフトしたため、CPPはfetuin-Aの糖鎖付加に対して、促進的に作用することが示唆された。そこで、小胞体からゴルジ体への輸送を阻害するbrefeldin Aで前処置したところ、CPPによるFM-Fetの発現は低下し、バンドは下方にシフトした。 CPPの脂肪細胞に対する影響は明らかではなかったが、腎不全・透析における石灰化ストレスに対して形成されたCPPは肝細胞に対してfetuin-Aの糖鎖付加を促進する、フィードバック機構が存在することが示唆された。
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Research Products
(18 results)