2017 Fiscal Year Research-status Report
腎障害時における骨由来新規腎リン利尿因子であるFGF23代謝調節機構の研究
Project/Area Number |
16K09652
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
重松 隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (30187348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 昌樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90550301)
|
Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | 線維芽細胞増殖因子23 / 高リン血症 / 骨組織 / 腎機能障害 / 活性型ビタミンD |
Outline of Annual Research Achievements |
FGF23は新規利尿因子として存在し、腎機能障害に応じて上昇することが明らかにされている。これまで我々を含めて主として骨組織で合成分泌されることが知られていた。しかしながら、副甲状腺ホルモン(PTH)とリンに比べて、腎機能障害が軽い時から率先して上昇することが明らかとなってきた。すなわち高リン血症の存在がない時点での上昇が認められる。 このため、リン負荷以外に調節機構ないし調節因子の存在が想定されていた。我々は、骨・カルシウム(Ca)・リンに関連するホルモンや液性因子において、FGF23合成や血中FGF23濃度と関連する因子のスクリーニングを行ってきた。その結果、骨芽細胞培養系から活性型ビタミンD(1α,25 (OH)2D3)がFGF23合成を促進する可能性を見出した。このため、我が国で実臨床において使用されている活性型ビタミンD製剤(ビタミンD受容体活性化薬:VDR)から、さらなるスクリー二ングを行った。その結果、我が国独自に合成され臨床応用されているマキサカルシトールが、腎機能の著しく低下した維持血液透析患者にて血中FGF23濃度と関連することを見出した。この結果は論文化され、掲載街となったところである。 今後は、この活性型ビタミンD製剤(ビタミンD受容体活性化薬:VDR)による、骨組織におけるFGF23の合成・分泌に対する効果と調節機構の詳細を明らかにするために、当初利用した骨芽細胞培養系において、スクリーニング手法から一歩進んだ骨芽細胞から骨細胞への分化誘導実験を計画し現在進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨・カルシウム(Ca)・リンに関連するホルモンや液性因子において、FGF23合成や血中FGF23濃度と関連する因子のスクリーニングにて、活性型ビタミンD(1α,25 (OH)2D3)のFGF23との関連性が明らかになったた。活性型ビタミンD製剤(ビタミンD受容体活性化薬:VDR)から、我が国独自に合成され臨床応用されているマキサカルシトールが、腎機能の著しく低下した維持血液透析患者にて血中FGF23濃度と関連することを見出した。この結果は論文化され、掲載街となったところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
骨・カルシウム(Ca)・リンに関連するホルモンや液性因子において、FGF23合成や血中FGF23濃度と関連する因子のスクリーニングに時間を要したが、活性型ビタミンD(1α,25 (OH)2D3)のFGF23との関連性が明らかになったため、今後の研究方向性が決定した。今後は活性型ビタミンDとFGF23の関連性について集中的に検討を進めていく予定である。その中で、より調節機構の詳細をけんとするために、骨芽細胞培養系のin vitro事件系を用いて検討を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
骨・カルシウム(Ca)・リンに関連するホルモンや液性因子において、FGF23合成や血中FGF23濃度と関連する因子のスクリーニングを行ってきた。また、スクリーニングにあたっては実臨床のデータを中心に、実験データも加えて検討した。このために、当初の実験研究に対する費用は予想を下回った。 しかしながら、今後は活性型ビタミンD製剤(ビタミンD受容体活性化薬:VDR)から、骨組織におけるFGF23の合成・分泌に対する効果と調節機構の詳細を明らかにするために、実験研究費用が当初計画よりかさむ可能性が高い。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] FGF23 modulates the effects of erythropoietin on gene expression in renal epithelial cells.2018
Author(s)
Mitsuru Yashiro, Masaki Ohya, Toru Mima, Yumi Ueda, Yuri Nakashima, Kazuki Kawakami, Yohei Ishizawa, Shuto Yamamoto, Sou Kobayashi, Takurou Yano, Yusuke Tanaka, Kouji Okuda, Tomohiro Sonou, Tomohiro Shoshihara, Yuko Iwashita, Yu Iwashita, Kouichi Tatsuta, Ryo Matoba, Shigeo Negi, Takashi Shigematsu
-
Journal Title
Int. J. Nephrol. Renovasc. Dis
Volume: 11
Pages: 126-136
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-