2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation module for blood purification that can control antithrombotic properties by nitric oxide releasing material.
Project/Area Number |
16K09653
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小久保 謙一 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (20287965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弘祐 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70153632)
小林 こず恵 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (60448975)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血液透析膜 / 生体適合性 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、材料開発と動物実験を用いた評価の2つのプロジェクトをそれぞれ同時に進行させた。具体的には、1)ラットを用いた動物実験による抗凝固能を発揮するのに必要なNO濃度の検討、および2)一酸化窒素(NO)放出材料の開発である。 1)では、まず、動物実験の条件設定、およびNOガスによる抗凝固性の評価系の確立するための検討を行った。ラットを用いた体外循環の実験条件、特に、ある程度の凝固能が残った状態で、4時間循環を可能にする抗凝固薬(ヘパリン)の使用量を確定した。その条件下で、4時間体外循環を行い、その際、ガス交換膜を介して200ppmから800ppmのNOガスを透析液に付加し、透析器内の血液凝固について検討した。体外循環中の活性化凝固時間は、若干NO投与群で大きかったがほぼ等しい状態であった。一方、体外循環後のフィルタへの残血量を溶離液のヘモグロビン濃度および乳酸デヒドロゲナーゼ活性より評価したところ、有意にNO添加群で小さいという結果を得ることができた。また、NOを体内に付加したときの有害事象と考えられるメトヘモグロビンの血中濃度を測定したが、いずれの濃度においても、メトヘモグロビンの濃度は非常に低く問題がないことが分かった。 2)では、当初コーティング材料を中心に検討を行っていたが、1)の実験により、血液と接触する面をNO放出材料としなくても、NOを透析液側から供給するだけで、抗血栓性が得られることが分かったことから、NOドナーをマイクロカプセルに封入したNO放出材料を開発することとした。この場合、血液と接触する中空糸内面に新しい材料を使用する必要がないため、現在安全性が十分に確認されている透析膜をそのまま用いることが可能という利点もある。使用するNOドナー、マクロカプセル材料をいくつか検討し、抗血栓性を発揮するのに必要な濃度のNOを放出できるマイクロカプセルを作成できた。
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Research Products
(2 results)