2016 Fiscal Year Research-status Report
脳内Na+負荷による食塩嗜好および血圧上昇における脳内(プロ)レニン受容体の役割
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16K09657
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
森本 聡 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80257534)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Na負荷 / 血圧 / 食塩嗜好 / レニン‐アンジオテンシン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 実験開始のための準備 1. ラットにおけるテレメトリー法による血圧・脈拍数測定:腹部大動脈からのカテーテルの挿入・留置、無麻酔・無拘束下における血圧、脈拍数の測定の練習を行った。カテーテルの挿入・留置の手技習得に時間を要したが、最終的に安定した手技を習得するに至った。そして、これらのデータを用いて専用ソフトウェアを用いて血管交感神経活動および圧受容体反射機能の評価が行えるようになった。2.ラットにおいてメタボリックケージを用いて飲水量、尿量を測定する系を確立した。3. 食塩嗜好を評価するための実験系を確立した。4. 脳室内注入用カニュラおよび浸透圧ミニポンプの挿入技術を習得し、実際に薬物の脳室内慢性微量投与が行えるようになった。5. 関連因子の脳内発現の検討:レニン・アンジオテンシン系コンポーネントを含む各関連因子の脳内発現を検討するためにreal time quantitative RT-PCRを行っている。これまでに脳全体から抽出したRNAを用いて(プロ)レニン受容体mRNA発現量の測定が可能となっている。現在室傍核(PVN)部を正確に摘出するための手技を習得するための作業を行っているところである。 2)無麻酔・無拘束下での脳室内への高Na+人工脳脊髄液の注入実験を施行しているが、血圧の変動が大きく、対照薬としての正Na+人工脳脊髄液との間に明らかな血圧値の違いを見い出すことに難渋している。既報では血圧が上昇すると報告されているため、細かい条件の違いが原因であると考え、Na+の濃度を変化させて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記のごとく、テレメトリー用カテーテルの挿入・留置の手技習得に予想以上に時間がかかってしまったこと、および本研究において最も基本的でかつ重要な、脳室内高Na+人工脳脊髄液の注入実験がうまく進んでいない(予想されるような安定した血圧上昇が確認できない)ことが原因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の平成29年度には引き続き工夫をこらしながら本実験を進めて行く。進捗状況が順調でない場合には、薬物の投与量を修正したり、実験手技の見直しのために実験のエキスパートの指導を受けることも検討している。
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Causes of Carryover |
実験系の確立および本実験の施行が遅れ、実験用物品の使用量が計画時に比べ少なくなってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には研究推進のスピードアップを図る予定である。それに伴い必要実験用物品費が増加し、残余分を全て使用する予定である。
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