2017 Fiscal Year Research-status Report
脳内Na+負荷による食塩嗜好および血圧上昇における脳内(プロ)レニン受容体の役割
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16K09657
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
森本 聡 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80257534)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血圧 / 交感神経 / レニン‐アンジオテンシン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 正常食塩食飼育下の9週齢の雄性Wistarラット において、麻酔下に、血圧測定用テレメトリーを腹部大動脈に挿入し、10週齢時に定位脳固定装置を使用して側脳室内に薬物注入用カニュラを挿入し、浸透圧ミニポンプを皮下に植込んだ。その後、無麻酔・無拘束下で、高Na+人工脳脊髄液(ACSF)(ACSFのNa+濃度を800 mmol/に調整したもの)(A群)、あるいは正常Na+ACSF(ACSFのNa+濃度を150 mmol/lに調整したもの)(B群)を21日間脳室内に持続注入した。その結果、脈拍数は両群間で有意差は見られなかったが、血圧と血管SNAはA群の方がB群に比し有意に高値となることが確認された。また、飲水量、尿量および食塩嗜好もA群の方がB群に比し有意に上昇していた。21日後に断頭屠殺し、室傍核におけるレニン-アンジオテンシン系コンポーネントの発現を評価したところ、 A群においてB群に比し(プロ)レニン受容体 mRNAと蛋白発現およびアンジオテンシンII濃度が有意に増加していることを確認した。現在アンジオテンシノーゲン・アンジオテンシン変換酵素・アンジオテンシン1型受容体の発現やアルドステロン濃度を評価しているところである。 2) 同時に、1)と同様の手技により、高Na+ ACSFに (プロ)レニン受容体阻害薬 (C群)、アルドステロン合成酵素阻害薬(D群)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(E群)を溶解させたものを21日間脳室内に投与した時の各種変化をA群、B群と比較しているところである。これまでにC群、D群、E群の何れにおいても、血圧および血管SNAがA群に比し有意に低下していることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に、テレメトリー用カテーテルの挿入・留置の手技習得に予想以上に時間がかかってしまい、出遅れてしまったことが主因と考えられる。しかし、平成29年度には各種実験手技が安定し、順調に成果が見られるようになった。現在鋭意研究を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目の平成30年度には引き続き工夫をこらしながら本実験を進めて行く。進捗状況が順調でない場合には、薬物の投与量を修正したり、実験手技の見直しのために実験のエキスパートの指導を受けることも検討している。
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Causes of Carryover |
年度末に使用額の微調整がうまく行かず、46,249円の残余額が生じた。現状通り実験が順調に進めば、平成30年度には全額使用される見込みである
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Research Products
(1 results)