2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09687
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐野 和憲 福岡大学, 薬学部, 講師 (50534343)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プリオン / 感染 / RT-QUIC / ビーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、プリオン感染に関与するプリオンタンパク質(PrP)以外の因子を解明し、その因子に作用する化合物や抗体のプリオン病に対する治療効果を調べることである。 平成28年度は、まず、PrP以外の因子を探索するために必要となる人工プリオンの作製、FGビーズへのリコンビナントPrP(rPrP)の固定化における至適条件の探索を行った。 人工プリオンの材料であるrPrPの精製については、rPrPを大腸菌に発現させた後、FPLC(高速蛋白質液体カラムクロマトグラフィー)を用いて行った。rPrP精製の確認は、CBB染色、Western blot法を用いて行い、生体内のPrPと同じ二次構造かどうかの確認については、FTIR(フーリエ変換赤外線分光分析装置)を用いて行った。上記の検討により、精製度>99%のrPrPが得られ、生体内のrPrPと同様にα-ヘリックスに富む構造であることが判明した。次に、rPrPを試験管内で異常型に変換する方法(RT-QUIC)を用いて、rPrPを人工プリオン(異常型rPrP)に変換させた。新たに作製した人工プリオンの感染性については、遺伝子改変マウス(tga20:PrPを過剰発現)を用いて確認中である。 FGビーズへの人工プリオン及びrPrPの固定化については、まず、FGビーズへのrPrPの固定化における至適条件(リンカー構造、バッファー、pH、温度、反応時間等)を検討し最適条件を探索している段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
rPrPの精製・確認及び人工プリオン(異常型rPrP)への変換実験が予定通り順調に進展しており、FGビーズへのrPrPの固定化における至適条件についてももう少しで結果が得られそうだから。
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Strategy for Future Research Activity |
最適条件決定後、人工プリオン固定化FGビーズ、rPrP固定化FGビーズおよび非固定化FGビーズをそれぞれプリオン感染マウス脳乳剤に添加し結合反応を行う。感染時の特異的な因子かどうかを調べるため、正常マウス脳乳剤にもそれぞれのFGビーズを添加し結合反応を行う。結合反応後、磁石によりFGビーズを磁気分離し、固定化された人工プリオン及びrPrPに特異的に結合した因子を溶出し、同定解析を行う。
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