2016 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経炎症性脱髄疾患におけるペルオキシレドキシンを標的とした革新的治療法開発
Project/Area Number |
16K09691
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鵜沢 顕之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10533317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 聡 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70282481)
森 雅裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70345023)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / ペルオキシレドキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は多発性硬化症、視神経脊髄炎患者(各群n=10)の再発時・急性期治療前の血清と髄液中のペルオキシレドキシン濃度の測定を行った。ペルオキシレドキシンには6種類のサブタイプがあるが、IL-23の誘導作用が最も強いとされるペルオキシレドキシン5をまずは選択し測定した。対照として非炎症性神経疾患(n=10)を用いた。 血清ペルオキシレドキシン5濃度は視神経脊髄炎で5.5±6.5ng/ml、多発性硬化症で1.8±1.3ng/ml、疾患対照の非炎症性神経疾患で1.0±0.0ng/mlであり、視神経脊髄炎、多発性硬化症群で疾患対照群と比べ有意に上昇していた(視神経脊髄炎:P= 0.013、多発性硬化症:P=0.031)。一方髄液ペルオキシレドキシン5濃度は視神経脊髄炎で1.2±0.3ng/ml、多発性硬化症で2.2±4.7ng/ml、疾患対照の非炎症性神経疾患で1.3±0.4ng/mlと各疾患群で有意な差を見出すことができなかった。現在、視神経脊髄炎、多発性硬化症患者の血清のペルオキシレドキシン5濃度と臨床症状との相関や他のペルオキシレドキシンサブタイプの測定の準備を進めている。 またC57/B6マウスにミエリンオリゴデンドロサイトを免疫して多発性硬化症のモデル動物(EAE)を作成し、症状がピークを迎えたところでマウスを剖検し脳や脊髄の中枢神経の標本を作製した。今後、これらの標本を用いてペルオキシレドキシンの免疫染色を行い、病態との関連についても検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はおおむね順調に進んでいる。最終的にはペルオキシレドキシン5以外のサブタイプの測定も行い、患者の臨床パラメーターとの相関を詳細に検討し、ペルオキシレドキシンが中枢神経炎症性脱髄疾患(多発性硬化症、視神経脊髄炎)の病態に関わる機序の解明を目指す。モデル動物を用いた病理学的解析の準備も進めており、今のペースで研究を進めていければ十分に本研究課題の遂行が可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は患者検体を用いたペルオキシレドキシン5以外のサブタイプの測定およびモデルマウスにおけるペルオキシレドキシンの中枢神経内の炎症誘導機構を明らかにする実験を中心に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入の際、値引きがあり、予定よりも安く購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額ではあるが繰越金が残ってしまったため、次年度の研究費とあわせて研究遂行に必要な物品などを購入していく予定である。具体的には患者検体を用いたペルオキシレドキシン5以外のサブタイプの測定キットやモデルマウス作成、モデルマウスにおける免疫染色に必要な物品を購入予定である。
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Research Products
(8 results)