2017 Fiscal Year Research-status Report
免疫介在性イオンチャネル病の病態解析および新規抗原の解明
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16K09697
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
渡邊 修 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 臨床教授 (30511802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 博 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80372803)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋けいれん / ニューロミオトニア / アイザックス症候群 / 抗VGKC複合体抗体 / 病態マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞の電位依存性カリウムチャネル(VGKC抗体)に対する自己抗体は、末梢神経の興奮性亢進を引き起こし、筋けいれん、手指の開排制限を主訴とするアイザックス症候群(IS)の原因自己抗体である。研究代表者らは、この抗VGKC抗体が、二価の抗体として作用し、二つのVGKCをカップリングすることで、内在化を惹起し、神経細胞表面のVGKCの総数を減じることで、総和としてVGKCの機能を減じることを明らかにしてきた。ま た、この抗VGKC抗体は、末梢神経系の疾患であるISのみならず、筋けいれんに多彩な自律神経機能障害や重度の不眠、複雑な夜間行動異常、幻視、記銘力霜害など中枢神経症状を特徴とするモルヴァン症候群や自己免疫性辺縁系脳炎の一部に関与する。さらに従来、αデンドロトキシンを用いたRIA法で測定していた自己抗体は、VGKCそのもののみならず、leucine rich glioma inactivated 1 protein (LGI1)、contactin-associated protein 2(Caspr2)、およびcontactin 2を標的とするポリクローナルな抗体であることが明らかになった。この結果を踏まえ、研究代表者らは、効率よく、網羅的に自己抗体を検出する方法として、ラット海馬神経細胞との反応性でスクリーニング後、live cellのまま免疫沈降を行い、主要抗原について直接バンドを切り取り質量分析で抗原を確定させる手法を確立した。また疫学的研究の結果を踏まえ、ISの診断基準を作成し、ISの難病指定に寄与したが、抗VGKC複合体抗体の陽性率は約30%であり、未知の抗原に対する自己抗体の存在が示唆されている。上記の方法を後根神経節細胞に置き換えた新たな病態なーカーを確立し、免疫介在性チャネル疾患の病態メカニズムを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
125I-α-dendrotoxinを用いたradioimmunoassayで一次スクリーニング後の検体(血清・髄液)を用いる。既知の事故高値亜については、候補標的抗原の遺伝子を導入した細胞を用いた免疫組織化学的手法で検討する。網羅的自己抗体の解析および新規抗原の同定のためにラット後根神経節細胞と検体で免疫沈降を行い、主要なバンドについてはゲルを切り台、直接、質量分析を行う。上記の予定であるが、対象検体が多いため、一次スクリーニング後の患者IgGと後根神経節細胞の反応性をみる二次スクリーニングの段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象症例をしぼり、質量分析を行い新規抗原の検出に努める。
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