2016 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞におけるMAIT細胞制御と新規治療法に関する研究
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16K09699
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 亮太 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40407284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 麻子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40532726)
志村 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50286746)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MAIT細胞 / 脳梗塞急性期 / 脳保護効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではMAIT (Mucosal Associated Invariant T cell)細胞の脳梗塞急性期の病態への役割を明らかにするため、MAIT細胞ノックアウト(MAIT KO)マウスを用いて一過性脳局所虚血再灌流モデル(tMCAO)を作成。まず、24時間後の梗塞巣体積を比較するため栓子を用いた脳梗塞モデルを作成した。全身麻酔下(吸入麻酔)にマウス頸部よりアプローチし、単離した外頸動脈より栓糸を挿入し、中大脳動脈を閉塞した。虚血開始60分後後に栓子を取り出し、再灌流を施した。申請時に評価した梗塞巣体積はCresyl Violet法で測定していたが、今回は梗塞巣の縮小評価を確実に確認するため、TTC (triphenyltetrazolium chloride)染色で再度評価した。24時間後の梗塞巣の体積は14.6 vs 49.1 mm3 (n=3, P=0.0039)とMAIT KO群で有意に梗塞巣体積が縮小していた。Neurological severity scoreを用いた神経機能評価においても、MAIT KO群ではコントロール群に比し有意に機能障害が軽減されていた。これらの結果からMAIT細胞を制御することにより、急性期脳梗塞体積を縮小させ、機能軽減につながる可能性が確認出来た。今後はMAIT細胞が脳虚血急性期の病態にどのように関与しているかを解明していく。脳内炎症反応やサイトカイン量に影響を与え、脳保護作用をきたしている可能性が高く、組織化学的、分子生物学的解析を加え検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は当初の研究計画より遅れている。 これは、モデル作成を担当する大学院生が卒業になり、新しい大学院生が担当することになったためである。マウスの一過性中大脳動脈虚血再灌流モデル作成を習得するのにしばらく時間を要した。またMAIT KOマウスの供給がやや遅れていることがあり、MAIT KOマウスでのデータ解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況で報告したとおり、研究計画の遅れがある。一方で現在安定したモデル作成が可能となっており、急性期から長期(梗塞後7日)の梗塞巣の評価と機能予後について解析を進めていく。またMAIT KOマウスの供給が遅れる場合は、MAIT抑制性リガンドを用いた実験を進め、研究全体として滞りのないよう調整しながら解析していく。
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Causes of Carryover |
実施報告書で記載したおり、モデル作成を担う大学院生が変わったかとにより、当該年度においてはマウス脳梗塞急性期モデル作成のための技術習得に時間を要した。そのため、組織学的評価など当初予定していた実験が行えず、結果として次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在安定したモデル作成が可能となっており、平成28年度に行えなかった組織学的評価などを弾力的に進めていく。また、平成29年度の予定されている研究計画に基づき、研究解析を進めていく。
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