2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental mechanism of regulatory T cell-derived abnormal T cells identified by HAM
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16K09702
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 知雄 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (30387063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HTLV-1 / Tax / 制御性T細胞 / HTLV-1関連脊髄症 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究からHTLV-1 関連脊髄症(HAM)の病態には、HTLV-1 Taxによる制御性T細胞(Treg)のTh1様細胞への分化転換が重要な役割を担っていることが示唆されているが、その個体レベルの病原性は明らかではなかった。この点を明らかにするために、我々はTreg 特異的Tax 発現ノックインマウス(ノックインシステムによって高頻度なHTLV-1 感染が観察されているTreg に限定してTax 発現を可能としたマウス)を作成した。本マウスはこれまでのTaxトランスジェニックマウスと異なり、Tax発現細胞はTregに限定され、しかも1細胞あたり1コピーのTaxしか発現していない。それにも関わらず、本研究期間中、ホモでTax を発現すると28匹中28匹(100%)生後6 週以内に死亡し、ヘテロでTaxを発現したマウスはすべて20 週齢頃より慢性的な皮膚炎および皮膚潰瘍を生じた。こうして、TaxがTreg特異的に発現することの個体レベルの病原性に与える影響の大きさが明確になった。また、Tax発現異常T細胞が中枢神経系に侵入することがHAM発症のモデルになると仮説を立て、上記マウスにMOGペプチドを刺激してEAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)を発症させ、発症の早期化・重症化が起きるかどうかを検証した。しかし、このマウスはコントロールのEAEマウスと同様の経過を示した。これはMOGペプチド刺激で中枢神経にリクルートされる細胞の中にTax発現異常T細胞がほとんど含まれていなかった可能性が考えられる。したがって、本研究により、今後、異常T細胞が確実に中枢神経にリクルートされるように、Treg特異的Tax発現マウスを2D2マウス(全身のT細胞がMOGを認識するT細胞受容体を持つトランスジェニックマウス)と交配させ、HAM発症モデルの確立を目指すという今後の方向性が明らかとなった。
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[Journal Article] Development of reference material with assigned value for human T-cell leukemia virus type 1 quantitative PCR in Japan.2018
Author(s)
Kuramitsu M, Okuma K, Nakashima M, Sato T, Sasaki D, Hasegawa H, Umeki K, Kubota R, Sasada K, Sobata R, Matsumoto C, Kaneko N, Tezuka K, Matsuoka S, Utsunomiya A, Koh KR, Ogata M, Ishitsuka K, Taki M, Nosaka K, Uchimaru K, Iwanaga M, Sagara Y, Yamano Y, Okayama A, Miura K, Satake M, Saito S, Watanabe T, Hamaguchi I.
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Journal Title
Microbiol Immunol
Volume: 62(10)
Pages: 673-676
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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