2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of association between enteric bacteria markers and patients with synucleinopathy
Project/Area Number |
16K09711
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小澤 鉄太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (10377153)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シヌクレイノパチー / パーキンソン病 / 環境因子 / 腸内細菌 / 口腔微生物 / 嗅覚障害 / 自律神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
シヌクレイノパチーの代表的疾患であるパーキンソン病(PD)の病態は、嗅神経から中枢神経系へ波及する経路、あるいは末梢臓器から自律神経を経由して中枢神経系へ波及する経路を介して進行するとの仮説が有力である。嗅覚障害の病態に関しては鼻腔・口腔の環境要因が関与し、末梢臓器に関しては消化管内腔に接する環境要因が関与すると考えられる。そのため我々は、口腔微生物を含めた腸内細菌をターゲットにし、PDの発症に関わる環境要因を検索することを目的に本研究を行った。 平成30年度末の時点で、PDの対象例は35例(男:女=9:13、平均年齢70.5歳、平均罹病期間3.6年)、神経変性疾患を有しないコントロール14例(男:女=5:9、平均年齢75.2歳)となった。尿素呼気試験ではPD35例中10例(28.5%)で胃のピロリ菌感染を認めた。コントロールにおける胃のピロリ菌感染は14例中5例(35.7%)であり、PDでのピロリ菌感染率の上昇は認めなかった。PDでの口腔内の硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド濃度の平均値はそれぞれ、128.3 ppb、176.7 ppb、23.5 ppbであった。コントロールではそれぞれ、83.1 ppb、31.7 ppb、27.0 ppbであった。スティック型嗅覚検査法(odor stick identification test for Japanese=OSIT-J)を用いた嗅覚機能検査では、PD35例の平均値は3.6点(12点満点)、コントロールでは6.2点であり、PDの嗅覚低下は明らかだった。PDにおける嗅覚低下と口腔内の硫化水素濃度とは明らかに相関しており、口腔微生物により産生された硫化水素がPDの嗅神経障害に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)