2016 Fiscal Year Research-status Report
高密度表面筋電図・筋超音波同時記録システムによる筋萎縮性側索硬化症の診断法開発
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16K09717
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
関口 兼司 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70533793)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高密度表面筋電図 / 筋超音波検査 / 筋萎縮性側索硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前回の研究で開発した高密度表面筋電図電極を用いて,筋超音波検査装置と同時に記録・表示・解析できる装置および画像処理システムを開発するために①超音波探触子を電極の上から走査可能な高密度表面電極シートの開発と②汎用筋電計と汎用超音波検査装置から得られた信号を潜時差なく同一画面表示・記録できる同時記録システムの開発を行った.①に関しては当初想定した近位筋では電流発生源が深部にあり高密度表面電極では分離が困難であることが判明し,遠位筋を対象とした小サイズの電極に変更した.シリコンシート上から超音波プローベを当てると信号強度が減衰するためウレタンの薄層ゲルに電極穴を設け,低部にワイヤー電極を這わせる形式に変更し,良好な超音波画像が得られることを確認した.②に関しては汎用性を考慮して,筋電計と超音波検査装置の出力をHDMIで汎用映像ミキサーに入力しスプリット表示した映像をハードウェア的にキャプチャしてmp4形式で記録した.筋萎縮性側索側索硬化症(ALS)患者でfasciculation potentialを記録したところ,電位とその発生源の関係がリアルタイムに記録でき,両者で確認可能なもの,筋電図でのみ確認可能なもの,超音波でのみ確認可能なものがあることがわかった.今後症例を蓄積してこのシステムによる検査の利点,欠点を検証していく.また非侵襲的ALS早期診断法を確立するという点において,上位運動ニューロン障害を検出する検査法も重要と考え,ALS患者のPET検査の頭部運動領域に限った代謝を後方視的に検討した.疾患の進行に応じて罹患枝対側の代謝低下が相関することを見出し報告した.今後表面筋電図・超音波検査による非侵襲的な下位運動ニューロン障害の検出法とPET・MRIによる非侵襲的上位運動ニューロン障害の検出法を組み合わせて,ALSの包括的非侵襲診断法の確立を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超音波が透過する電極の素材探しに時間がかかり,試作を繰り返した. 同時記録システムは完成したが複数の被検者による検証が十分でなく,今後は機械の調整が必要となり,データの集積はシステム完成度が高まってからになるため,予定より遅れる可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
システムが完成したので新規 ALS 患者に対してデータを蓄積を開始する. また得られたデータの解析方法について新たな検討を加える.
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Causes of Carryover |
電極の試作に予算を使い時間がかかったためデータ収集が遅れており,データ収集解析用の機器が調達できていない.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ解析用の端末購入代金にあてる
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Research Products
(3 results)