2016 Fiscal Year Research-status Report
蛍光ATPプローブ遺伝子ノックインマウスを用いた膵島細胞糖代謝異常の解析
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16K09746
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長嶋 一昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (40324628)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ATP / 糖代謝異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
生理的条件下における膵β細胞代謝調節メカニズムの理解には、生細胞における刺激前後の細胞内シグナルの動態観察が必要であるが、従来、細胞内ATP動態を生細胞のまま簡便に、経時的かつリアルタイムで測定できる手法はなかった。本研究は、蛍光ATPプローブ遺伝子ノックインマウス、さらには肥満・糖尿病モデルマウスを用いて生細胞のまま、生理的条件下で、直接的、経時的かつリアルタイムに解析し、様々な摂餌条件および耐糖能状態における細胞内糖代謝と糖代謝異常の病態形成機序との関わりの実際を検証・解明することを目的とする。 ATP濃度によってOFP/GFP比が変化するFRETであるGO-ATeam1 ノックインマウスを作成し、野生型マウスと比べて耐糖能、膵β細胞機能に差がないことを確認した後、ノックインマウスより単離したβ細胞において、糖負荷時のOFP/GFP比の上昇を確認した。またCa2+インジケータであるfura-2を導入し、細胞内Ca2+とATP濃度動態の同時測定を行ったところ、先行するOFP/GFP比、すなわち細胞内ATP濃度の上昇とそれより1分程度遅れて細胞内Ca2+濃度の上昇を確認した。 近年生体内の膵島においてβ細胞機能の不均一性(heterogeneity)が注目されており、単離したβ細胞と生体内の膵島状態でのβ細胞では異なるATP動態を示す可能性がある。そこで我々はマウス生体内β細胞のATP濃度動態を観察するため、β細胞特異的GO-ATeam1ノックインマウスを作成し、まもなく2光子顕微鏡、あるいは共焦点顕微鏡で糖負荷時の膵島における各β細胞のATP濃度動体を観察予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って、蛍光ATPプローブ遺伝子ノックインマウスを用いて、これまで詳細不明であった膵島細胞内ATP濃度変化および細胞内Ca2+濃度変化との経時的連関等についての実験結果が得られている。さらに膵島細胞(α細胞、β細胞、δ細胞、等々)の中のβ細胞特異的に蛍光ATPプローブを発現するマウスを作成し、膵島細胞における細胞種別の細胞内代謝(ATP)動態の評価へと研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
近年生体内の膵島においてβ細胞機能の不均一性(heterogeneity)が注目されており、単離したβ細胞と生体内の膵島状態でのβ細胞では異なるATP動態を示す可能性がある。今回作成したβ細胞特異的GO-ATeam1ノックインマウスを用いて、膵島細胞内の細胞種(β細胞およびnon-β細部など)個々の細胞内代謝(ATP)動態を評価することと並行して、単離された状態の細胞ではなく、マウス生体内膵島状態でのβ細胞ATP濃度動態を観察する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 蛍光ATPプローブ遺伝子ノックインマウスを用いた膵β細胞内代謝解析2016
Author(s)
杉崎 和, 山本正道, 龍岡久登, 臼井亮太, 今村博臣, 田原裕美子, 小倉かさね, 佐藤広規, 佐藤雄一, 小倉雅仁, 長嶋一昭, 稲垣暢也.
Organizer
第59回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2016-05-19 – 2016-05-21