2016 Fiscal Year Research-status Report
インスリンシグナルを標的とする新規microRNAの同定とその意義の解明
Project/Area Number |
16K09760
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井形 元維 熊本大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (40599099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10253733)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | microRNA / インスリンシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA (miRNA)は、遺伝子の転写後調節を行う重要な調節因子であり、発生、細胞増殖・分化、アポトーシス等の広範な生物学的プロセスに重要な役割を担う。本研究では、インスリン作用伝達及びインスリン抵抗性を制御する新規miRNAを同定、その機能解析を行うことを目的とする。2種類の肥満・糖尿病モデル動物の肝におけるmiRNAのマイクロアレイ解析結果より、コントロールと比べて発現上昇のあるmiRNAを選定、現在その中の一つmiR-Xに注目し研究を進めている。まず高脂肪食下で飼育したマウスの肝においてmiR-Xの発現上昇を確認、次にmiR-Xを過剰発現させた培養細胞でインスリン刺激によるAktのリン酸化減弱を確認した。複数のデータベース上でmiR-Xの標的遺伝子候補を検索、遺伝子Yについて検討を進めている。遺伝子Yの3′末端非翻訳領域(3'UTR)を組み込んだルシフェラーゼレポーターベクターを作成、培養細胞にmiR-Xとco-transfectionしたところ、ルシフェラーゼ活性の低下を認め、これはmiR-Xと遺伝子Yの直接結合を示唆した。さらに3'UTRのmiR-X結合部位に変異を導入したレポーターベクターを作成し、同様の実験を行ったところ、ルシフェラーゼ活性の低下を認めず、この結果もmiR-Xと遺伝子Yの直接に結合する結果を支持した。また遺伝子Yは高脂肪食を与えたマウス肝で実際に発現の低下を認めた。現在、アデノウイルスを用いたmiR-X過剰発現マウスを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画書通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画通りに研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の所要額と実支出額の差はごくわずかである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費に充てる。
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