2017 Fiscal Year Research-status Report
治療抵抗性を示す糖尿病症例の背景となる腸内環境・免疫内分泌因子の統合的解析
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16K09772
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
濱崎 暁洋 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第3研究部, 部長 (40456900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵・腸管内分泌 / グルカゴン / インクレチン / 糖尿病 / 肥満症 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究では主として糖尿病・肥満状態における膵・腸管内分泌環境の解析をおこなった。肥満を有する2型糖尿病状態における食後血糖値上昇には膵内分泌ホルモンであるグルカゴンが大きく関与すること、腸管ホルモンであるGLP-1アナログを外因性に使用することによって、それが有意に抑制されて、食後血糖値上昇の改善に寄与することを示し得た。さらに、糖尿病の治療・療養を難しくしている(治療抵抗性を形成する)因子としてのストレス(負担感)の評価についても検討を行い得た。さらに、薬物療法にともなう、これら内分泌環境の変化についても臨床検体を収集し、その解析に着手した。ある種の薬剤使用によっては、測定される腸管ホルモンの値が大きく変動することが予想されたが、実際にそれを実臨床検体で確認することができた。 さらに当該年度においては、膵・腸管内分泌環境のほかにも、臓器間の代謝連関を担うことが報告されている因子についての検討、腸管ホルモン関連糖尿病治療薬剤のほかの2型糖尿病治療薬剤使用時の影響についても検討をおこなった。これらからは、動的環境を評価してこそ得られる知見の存在が示唆されており、さらにその検討をすすめる必要があることが明らかとなった。 これらの成果は、糖尿病・肥満の治療抵抗性をかたちづくる、各種因子の統合的な評価が重要であることを示す、本研究目的にそった知見が得られつつあり、その意義は大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の臨床環境下における評価が行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き実施計画に沿って研究を推進する。
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Causes of Carryover |
当該年度に収集した検体測定を次年度におこなうこととなったため。
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