2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病によるアストロサイト脂質代謝異常に伴う認知機能への影響
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16K09776
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396732)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 脳脂質代謝 / コレステロール合成 / SCAP / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 糖尿病状態の脳で観察されるSCAPの減少がアストロサイトとニューロンの機能に与える影響を評価する目的で、SCAP欠損アストロサイトと初代培養野生型ニューロンの共培養をおこなった。対照アストロサイトと比較して、共培養した初代培養野生型ニューロンの形態的成熟度は有意に未熟で、神経突起長の短縮と分岐数の減少が見られた。アストロサイトにおけるSCAP減少が、ニューロンの成長と成熟を阻害する可能性を示唆する。 (2) hGFAP-CreERT2::Scap(f/f)マウスに成長後タモキシフェンを投与しSCAP欠損を誘導した後、免疫染色で海馬および脳室周囲の神経幹細胞数を評価した。adult neurogenesisに影響する可能性を検討している。 (3) 糖尿病の脳ではAMPK活性が上昇し、SCAPが減少する。AMPKα1ノックダウンまたはAMPK上流のLKB1ノックアウトにより、初代培養グリア細胞のSCAPが軽度増加することを確認した。ファトスタチンによりSCAP-SREBP複合体のゴルジ体への輸送を阻害するとAMPK活性化薬AICARによるSCAPの減少が抑制される。COPII小胞輸送に関わるRab2aをノックダウンすることで、初代培養グリア細胞のSCAPが増加することを見出した。AMPKシグナルはRab2経路を介してSCAP-SREBP複合体のゴルジ体への輸送を促進する可能性がある。 (4) SREBP-2 floxマウスを神戸理研との共同開発により作製し、系統樹立した。初代培養グリア細胞にアデノウイルスベクターを用いてCreリコンビナーゼを発現させ、SREBP-2経路の発現低下を確認した。 (5) 入院患者を対象に血清ステロール代謝物と認知機能の関連を調べ、相関の認められる候補物質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の組織特異的欠損マウスの作製および解析は進行している。 ヒト血清を用いて認知機能と相関のある新規脂質マーカー同定に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
SREBP-2 floxマウスを使用したアストロサイト実験系を構築する。 新規脂質マーカーについて、画像解析を組み合わせた研究を計画する。
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[Journal Article] Development of an Automatic Puncturing and Sampling System for a Self-Monitoring Blood Glucose Device2017
Author(s)
Abe-Doi M, Oe M, Murayama R, Takahashi M, Zushi Y, Tanabe H, Takamoto I, Suzuki R, Yamauchi T, Kadowaki T, Komiyama C, Sanada H
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Journal Title
Diabetes Technol Ther
Volume: 19
Pages: 651-659
DOI
Peer Reviewed
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