2018 Fiscal Year Annual Research Report
the effects of CD206-positive macrophages on obesity-associated liver tumors
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16K09777
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
薄井 勲 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50377272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 芳弘 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10541956)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マクロファージ / 肝がん / 糖尿病 / 肥満症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は課題2「マクロファージHIF-1aシグナルがDEN誘導性肝腫瘍に与える影響とその機序」について解析を行った。平成29年度までに、マクロファージ特異的HIF-1a欠損マウスは、①高脂肪食負荷時に発癌物質DEN誘導性の肝腫瘍数を減少させる、②肝腫瘍内外に浸潤するマクロファージ数と炎症マーカーの発現を低下させる、また、③肝臓の炎症・増殖シグナルのうちでも特にERKの活性を抑制することを報告した。平成30年度には、さらに詳細な機序について検討を進めた。その結果、④肝臓のERKが明らかにリン酸化するためには、高脂肪食処置が4~6か月程度必要であること、⑤HIF-1a欠損によるERKの抑制は主に肝臓の非腫瘍部で生じていること、⑥培養肝細胞(HepG2細胞)においてEGFはERKのリン酸化を促進するものの、⑦HIF-1a欠損マウスの肝臓でERKが抑制されるときEGFの他、PDGF、VEGFなど増殖因子の発現に差がないことを明らかにした。さらに、⑧肝臓より単離した野生型およびHIF-1a欠損マクロファージのメタボローム解析では、HIF-1aの活性化作用が知られるsuccinateなどの代謝産物の量に差がないことが分かった。これらの結果から、高脂肪食マウスにおいてマクロファージのHIF-1aが活性化され、肝臓の炎症反応および肝細胞ERKの活性化を介して、肝腫瘍の発症を促すことを明らかにした。また、高脂肪食誘導性肥満状態において、肝臓の増殖因子の発現やマクロファージの代謝産物の変化は、HIF-1aの活性化には直接に関与しない可能性が考えられた。これらの結果は、Journal of Diabetes Investigation誌に論文報告した(doi: 10.1111/jdi.13047)。
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Research Products
(10 results)