2017 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織のリモデリングを制御する新規蛋白の同定と病態生理学的意義
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16K09783
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 潤 岡山大学, 大学病院, 講師 (60616366)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
Prelpは、378アミノ酸でコードされる膜蛋白であり、結合組織や軟骨に発現し、ヒトの早老症の発症に関連している可能性も示唆されている。肥満モデルであるob/obマウスや高脂肪食負荷マウスの脂肪組織では、Prelpの発現が著しく亢進しており、培養脂肪細胞の検討において、Prelpを過剰発現させた脂肪細胞では、インスリン応答性の糖取り込みが抑制され、Prelpの発現を抑制した脂肪細胞では、インスリン応答性の糖取り込みが亢進していた。これらからPrelpは、培養脂肪細胞においてインスリン抵抗性発症に関与している可能性が示唆された。さらに、Ap2プロモーターを用いた脂肪細胞特異的Prelpトランスジェニックマウスと全身性Prelpノックアウトマウスに高脂肪食負荷を行い、Prelpのメタボリック症候群における役割を検討した。高脂肪食負荷後、脂肪細胞特異的Prelpトランスジェニックマウスでは、野生型マウスと比較し、より強い脂肪組織の繊維化を発症し、全身のインスリン抵抗性がより強く誘導されていた。一方、全身性Prelpノックアウトマウスでは、インスリン抵抗性の改善を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した研究実施計画の通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Prelpは、メタボリックシンドロームの脂肪組織の繊維化やインスリン抵抗性の発症に関与していると考えられ、現在、その分子機構を検討している。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度に予定していた実験項目の1部を平成30年度へ変更し、平成30年度に計画していた実験項目の1部を平成29年度に行ったため、差額が生じている。 (使用計画) 平成29年度に予定していた実験項目を平成30年度に行うため、差額分を含めて予定通り使用する。
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