2019 Fiscal Year Annual Research Report
Prolyl isomerase Pin1 suppresses thermogenesis
Project/Area Number |
16K09784
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中津 祐介 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20452584)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Pin1 / PRDM16 / UCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、Pin1による熱産生抑制機構を明らかにすることを目的として、研究に着手した。脂肪特異的Pin1 KOマウスの皮下脂肪や褐色脂肪細胞は、寒冷刺激による熱産生関連遺伝子の発現量がWTマウスと比べて顕著に高かった。そのメカニズムとしてPin1が転写共役因子であるPRDM16の発現を調節していることを見出した。また、Pin1によるPRDM16の発現抑制は、プロテアソーム阻害剤であるMG-132により抑制され、またPin1ノックダウンによりPRDM16のポリユビキチン化が抑制された。これらの結果より、Pin1はPRDM16のプロテアソームによる分解を促進することで、熱産生を抑制していると考えられた。 また、肥満時には脂肪組織のPin1発現量は顕著に増加するが、Pin1 KOマウスは高脂肪食負荷による体重増加に対して抵抗性を示した。 さらに、Pin1は脂肪分解酵素であるATGLにも結合することを見出した。Pin1はATGLのリン酸化依存的に結合し、ATGLの蛋白分解を促進した。興味深いことに、ATGLの分解促進には、Pin1のイソメラーゼ活性は不必要であった。PRDM16の時と同様に、Pin1はユビキチンプロテアソームシステムを介してATGLの分解を促進していた。また、Pin1 KOマウス(Adipo-Cre Tg)の脂肪組織においては、ATGLの蛋白発現増加が認められ、脂肪分解活性も高かった。一方、肥満モデルマウスの脂肪組織では、脂肪分解活性が低下していた。 以上より、肥満時の脂肪組織のPin1発現増加がPRDM16, ATGLの分解及び熱産生の抑制を引き起こし、肥満発症につながる機序があると考えられた。また、Pin1はATGL等、他の因子にも結合し、脂肪組織の機能を調節していると考えられた。
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[Journal Article] Prolyl isomerase Pin1 in metabolic reprogramming of cancer cells.2020
Author(s)
Nakatsu Y, Yamamotoya T, Ueda K, Ono H, Inoue MK, Matsunaga Y, Kushiyama A, Sakoda H, Fujishiro M, Matsubara A, Asano T.
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Journal Title
Cancer Lett.
Volume: 470
Pages: 106-114
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Pin1 Plays Essential Roles in NASH Development by Modulating Multiple Target Proteins.2019
Author(s)
Inoue MK, Nakatsu Y, Yamamotoya T, Hasei S, Kanamoto M, Naitou M, Matsunaga Y, Sakoda H, Fujishiro M, Ono H, Kushiyama A, Asano T.
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Journal Title
Cells
Volume: 8
Pages: 1545
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research