2017 Fiscal Year Research-status Report
脳内fractalkine-CX3CR1シグナルの肥満病態における機能解析
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16K09788
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
勝浦 五郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (20401226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | fractalkine / CX3CR1 / マイクログリア / 脳内炎症 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪食摂取による肥満モデルマウスの脳内fractalkineおよびCX3CR1のmRNA発現の変化を検討し、マイクログリアでのfractalkine-CX3CR1シグナルの炎症反応に対する作用とそのメカニズムについて検討した。16週間高脂肪食を与えたマウスの海馬および視床下部でのTNF-α mRNA発現は、正常食を与えたマウスに比べて、有意に増加し、一方、fractalkineおよびCX3CR1のmRNA発現は、高脂肪食摂取によって有意に減少した。次に、マイクログリアのcell lineであるMG6 cellsを用いてfractalkineの作用を検討した。Fractalkine (100 nM)単独の適用では、炎症性サイトカイン、COX-2およびiNOSのmRNA発現に変化は認められなかった。LPS(50 ng/ml)によるTNF-α、COX-2およびIL-1βのmRNA発現増加をfractalkineは有意に抑制したが、iNOSおよびIL-6のmRNA発現増加には影響を及ぼさなかった。Fractalkineは、LPSによるp38 MAPKのリン酸化亢進を有意に抑制したが、JNKおよびNF-κBのリン酸化亢進には影響を及ぼさなかった。これらの結果からfractalkineは、p38 MAPK側のpathwayに作用してLPSの反応を抑制していることが明らかになった。今回の実験で、fractalkineはp38 MAPKの上流を抑制することによって、TLR4の活性化による炎症反応の一部を抑制することが明らかになった。また、食事性肥満モデルマウスで脳内fractalkine-CX3CR1シグナルの低下が認められ、食事性肥満による脳内炎症に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの実験系の設定に時間がかからなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
報酬系でのfractalkine-CX3CR1 signalの作用を明らかにし、natural rewardへの依存性に対するこのsignalの関与を明らかにする。
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Research Products
(2 results)