2016 Fiscal Year Research-status Report
変異KCNJ5マウスを用いた原発性アルドステロン症発症機構の解明
Project/Area Number |
16K09794
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中島 康代 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70707017)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原発性アルドステロン症 / 遺伝子改変モデルマウス / 遺伝子改変モデル細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)変異KCNJ5副腎特異的発現トランスジェニックマウスの樹立 副腎に組織特異的に発現するSF-1遺伝子のプロモーターをdriverとして変異KCNJ5遺伝子 (p.G151R,c.451G>C)トランスジェニックマウスは12週令での副腎組織確認を実施したが、明らかな形態異常は認められていない。今後腺腫の発生などを経時的に確認する。 2)変異KCNJ5ノックインマウスの作製 ヒトの報告から変異KCNJ5発現が過剰過ぎると副腎腫瘍の発生が抑制されることが判明しておりトランスジェニックでは腺腫発生がない可能性がある。そこで遺伝性のKCNJ5変異の家系が判明している(アルドステロン症III型)変異KCNJ5ノックインマウスも並行して作製に今年度着手した。変異KCNJ5(T158A)を持つ相同遺伝子組み換えのおこるベクターを作製し、これまでのTRHを初めとしたノックアウト作製の技術を用いて相同遺伝子組み換えES細胞を得た後、受精卵にインジェクション後キメラマウスを作製しF1マウスを作製した。現在は解析に必要な十分な個体数を作成中である。 3)変異KCNJ5恒常的細胞株の作成 変異KCNJ5による腫瘍発生分子機構の詳細をin vitroで検証するため、ヒト副腎皮質がん細胞株H295R細胞を用い、ネオマイシン耐性遺伝子を組み込んだ野生型、 p.G151R,p.G151R,c.451G>C発現ベクターをリン酸カルシウム法で遺伝子導入し、G418にて選別後各種変異KCNJ5細胞株の樹立しつつある。
4)多数の原発性アルドステロン症例の副腎組織におけるステロイド合成酵素の解析を行い論文発表した。Okamura T et,al:Characteristics of Japanese aldosterone-producing adenomas with KCNJ5 mutations. Endocrine Journal 2017 64(1) 39-47.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)変異KCNJ5副腎特異的発現トランスジェニックマウスの樹立 マウスは機能解析中である。 2)変異KCNJ5ノックインマウスの作製 ノックインマウスの作成に成功し、現在は解析に必要な十分な個体数を作成中である。 3)変異KCNJ5恒常的細胞株の作成 ヒト副腎皮質がん細胞株H295Rを用いた恒常的変異KCNJ5発現細胞、コントロール細胞を樹立しつつある。 4)多数の原発性アルドステロン症例の副腎組織におけるステロイド合成酵素の解析を行い論文発表した。Okamura T et,al:Characteristics of Japanese aldosterone-producing adenomas with KCNJ5 mutations. Endocrine Journal 2017 64(1) 39-47.
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Strategy for Future Research Activity |
1)副腎特異的変異KCNJ5発現トランスジェニックマウスと変異KCNJ5ノックインマウスの解析 作成したトランスジェニックマウスやノックインマウスの機能解析に着手する。まず表現系などの確認を行う。 2)変異KCNJ5恒常的細胞株ならびにヒトアルドステロン産生腺腫初代培養細胞を用いたアルドステロン産生腫瘍発生機構の解明 変異KCNJ5恒常的細胞株を樹立しつつあるので、この細胞の機能解析を行う。さらにヒトアルドステロン産生細胞初代培養細胞作成術も取得する。
以上の進捗により順次オミックス解析を実施していく。
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Causes of Carryover |
該当年使用額より僅かであるが、実際は少ない利用となったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度利用額は消耗品として使用予定である
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Characteristics of Japanese aldosterone-producing adenomas with KCNJ5 mutations2017
Author(s)
Takashi Okamura, Yasuyo Nakajima, Akiko Katano-Toki, Kazuhiko Horiguchi, Shunichi Matsumoto, Satoshi Yoshino, Eijiro Yamada, Takuya Tomaru, Sumiyasu Ishii, Tsugumichi Saito, Atsushi Ozawa, Nobuyuki Shibusawa, Tetsurou Satoh, Shuichi Okada, Rin Nagaoka, Daisuke Takada, Jun Horiguchi, Tetsunari Oyama and Masanobu Yamada
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Journal Title
Endocrine Journal
Volume: 64(1)
Pages: 39-47
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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