2016 Fiscal Year Research-status Report
アクチン重合調節を介した造血幹細胞の自己複製制御機構の解析
Project/Area Number |
16K09824
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田所 優子 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00447343)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 自己複製 / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
組織幹細胞は微小環境(ニッチ)との相互作用により、その維持・増殖・分化の運命が決定される。ニッチ細胞からの直接的・接着依存的シグナルは、幹細胞自己複製能の調節に重要な役割を果たすと考えられる。申請者は、c-Kitシグナル制御調節分子Spred1による造血幹細胞制御に関する検討の結果、本分子がアクチン重合調節による幹細胞自己複製能制御に深く関与していることを見いだした。本研究課題はアクチン重合調節による造血幹細胞の自己複製能制御機構について解明することを目的として、自己複製能制御に関わるアクチン動態調節の分子メカニズムの解明、アクチン重合制御を介した遺伝子転写調節機構の解明およびアクチン動態調節不全と幹細胞老化との関係について明らかにすることを目指している。 平成28年度はSpred1によるアクチン重合調節シグナル経路の同定と造血幹細胞自己複製能評価を行うことを目標とし、F-actin染色によるシグナル同定、in vitroコロニー形成解析におけるシグナル阻害実験、in vivo競合的骨髄再構築能解析におけるシグナル阻害実験を行う計画であった。Raf・Erk・Jak-STAT・mTOR・ROCKなどの阻害剤とF-actin染色・in vitroコロニー形成解析・in vivo競合的骨髄再構築能解析を組み合わせて検討を行った結果、Spred1はROCK活性を抑制する働きを有しており、Spred1欠損造血幹細胞ではc-Kitリガンドの刺激依存的なROCKの活性化を介してその自己複製能が亢進していることを見い出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画がおおむね達成されており、総じて順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験の条件検討やマウスの準備等を進め、計画がスムーズに進むようにする。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Therapeutic strategy for targeting aggressive malignant gliomas by disrupting their energy balance2016
Author(s)
Ahmed M. Hegazy, Daisuke Yamada, Masahiko Kobayashi, Susumu Kohno, Masaya Ueno, Mohamed A.E. Ali, Kumiko Ohta, Yuko Tadokoro, Yasushi Ino, Tomoki Todo, Tomoyoshi Soga, Chiaki Takahashi and Atsushi Hirao
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 291
Pages: 21496-21509
DOI
Peer Reviewed
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