2017 Fiscal Year Research-status Report
RNAiスクリーニングによるT細胞性急性リンパ性白血病の創薬標的遺伝子の同定
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16K09840
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮城 聡 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (20400997)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | T細胞性急性リンパ性白血病 / METTL18 / メチル化 / 創薬標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、予後不良の白血病である急性リンハ性白血病の創薬標的遺伝子を同定する事を目的として、T細胞性急性リンパ性白血病 (T-ALL)の細胞株をモデルとして、shRNAライフラリーを用いたRNAiスクリーニンクを行い、候補遺伝子群を同定した。その中から、2種類の候補遺伝子(METTL18およひにSHPRH)について解析を進めている。平成28年度までに、個々のshRNAを用いた検証実験から、METTL18のノックダウンは8種類のT-ALL細胞株に対して増殖抑制効果を示し、その効果は発現量と相関した。この効果が真にMETTL18の機能抑制に起因するものかを検討するため、低感受性細胞株であるJurkat細胞にてCrispr法により遺伝子破壊株を複数株樹立した。この細胞株は、Cas9による切断部位の塩基配列の決定・発現解析等により、METTL18遺伝子全長を欠損しており、その発現は完全に消失していた。このMETTL18破壊株の増殖能は、親株と比較し有意に低下していた。さらに、高感受性細胞株(T-ALL1)では、破壊株が樹立出来なかった。また、第二候補であるSHPRHに関しては、ノックダウンは正常繊維芽細胞よりも選択的にT-ALL細胞の増殖を抑制し、Crispr法による遺伝子破壊株が樹立出来ない事が判明した。さらに、第三候補としてHDAC6を新たに加え、解析をスタートし、そのノックダウンが一部のT-ALL細胞株で増殖抑制効果を示す事を明らかにした。 以上の結果から、これら遺伝子がT-ALL細胞株の遺伝背景特異性を持つものの、創薬標的候補となるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Crispr inhibitionの系を確立するためにCAGE (Cap Analysis of Gene Expression)データを利用し同定された転写開始領域に対するCrispr inhibitionコンストラクトを作成したものの、全く発現抑制効果が認められなかった。このため、Crispr inhibition系の確立は中止とした。 Crispr法により樹立したMETTL18遺伝子破壊 Jurkat細胞の解析及びに新規の候補遺伝子HDAC6の解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
METTL18に関しては、その基質を生化学的な方法により同定する予定である。これによりMETTL18のT-ALL細胞における役割を明らかにする。HDAC6に関しては、その阻害剤が複数存在する事から、それらの増殖抑制効果を検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Histone lysine methyltransferase G9a is a novel epigenetic target for the treatment of hepatocellular carcinoma2017
Author(s)
Yokoyama M, Chiba T, Zen Y, Oshima M, Kusakabe Y, Noguchi Y, Yuki K, Koide S, Tara S, Saraya A, Aoyama K, Mimura N, Miyagi S, Inoue M, Wakamatsu T, Saito T, Ogasawara S, et al.,
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 8
Pages: 21315-21326
DOI
Peer Reviewed / Open Access