2018 Fiscal Year Research-status Report
EBウイルス関連腫瘍に対するiPS細胞由来T細胞療法の開発
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16K09842
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
安藤 美樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10424251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗原特異的CTL / EBウイルス関連リンパ腫 / iPS細胞由来CTL / T-iPS |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を体外で増幅して再び患者体内に戻す養子免疫T細胞療法は、悪性黒色腫などの一部の腫瘍で持続寛解を得ることができる が、多くの腫瘍では慢性的な抗原暴露によりCTLが疲弊し、期待した程の効果を得ることができない。我々の研究グループでは抗原特異的CTLをiPS技術を用いて 機能的に若返らせる技術を開発した。2015年にはiPS細胞由来EBウイルス特異的CTLが EBウイルス関連腫瘍を効率よく縮小させることをマウスモデルで証明し、現在医師主導型臨床研究を目指して前臨床試験を行なっている。 現在までに13名のEBウイルス関連リンパ腫患者(節外性NK/T細胞リンパ腫鼻型3名、ホジキンリンパ腫2名、び漫性大細胞型B細胞リンパ腫3名、メソトレキ セート関連リンパ増殖性疾患5名)と1名の健常人ドナーにご登録いただいた。最初にHLAを調べたところ、14名中12名のドナーがA2402, A0201もしくはA1101のHLA型を持っていることがわかった。その後誘導開始した8名のドナー末梢血よりLMP1, LMP2, BZLF1など様々なEBウイルス抗原に特異的なCTLクローンの誘導に成功し、T-iPS細胞樹立と iPS細胞由来CTLの誘導を行なった。今回の検討のもと、臨床用にプロトコールを改善し、作成期間を大幅に短縮することができた。またマウスモデルを用いて強力な抗腫瘍効果と投与したiPS細胞由来CTLの生体内での生存の有無などをin vivoで確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前臨床試験のドナー登録は順調に進み、当初の目標を大きく超え多くの患者にご登録いただくことができた。そのため様々な疾患,様々な病状の患者末梢血より誘導を試みることができたことが非常に役立った。本研究課題で抗がん剤、ステロイドなどで治療中でCTL誘導の難しい症例でも、多くの症例では誘導が可能となった。また、臨床で用いることが可能である資材を用いたプロトコールの改訂と誘導期間短縮にも成功した。in vitroでは誘導したiPS細胞由来CTLそれぞれについて強力な細胞傷害性を証明でき、マウスモデルでも長期にわたるEBウイルス関連リンパ腫の排除を示すことができた。そのため、現在までの進捗状況はおおむね順調に進行したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究課題で得た新しい知見を報告予定である。また、医師主導型臨床研究を目指し、申請のために必要な安全性試験を行う予定である。具体的には、セルプロセッシングセンター内で臨床プロトコールに沿って作成したiPS細胞由来CTLを用い、造腫瘍性試験などを行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在本研究課題で得た結果を報告するために、論文投稿中である。追加実験も生じる可能性があり投稿費、再実験の費用を確保する必要があり、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(9 results)