2017 Fiscal Year Research-status Report
スプライソソーム遺伝子LUC7L2の機能不全に基づく骨髄悪性腫瘍発症機序の解明
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16K09844
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
細野 奈穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (50509312)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | LUC7L2 / U1snRNP / スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
スプライソソーム遺伝子LUC7L2の機能不全に基づく骨髄悪性腫瘍発症機序の解明のため、白血病細胞株 HL60, K562を用い、RNA干渉実験をもとにLUC7L2の低発現系を作成した。LUC7L2の低発現細胞では細胞増殖が遅く、細胞倍加時間が延長していた。もともとは浮遊細胞であったが、LUC7L2の低発現細胞株は細胞同士が互いに接着する形態変化がみられた。これらの細胞を用いてRNA-sequencingで発現解析、スプライシングの異常を比較検討したところ、腫瘍化に関連すると考えられるNotch3遺伝子の発現が両細胞ともに有意に上昇していた。また、膜蛋白であるAMIGO3(adhesion molecule with Ig like domain 3)の発現増加も認めており、細胞の形態変化への関与が考えられた。スプライシングの変化ではアポトーシス促進分子であるBimのアイソフォームの変化が認められており、腫瘍化の病態に関与しているものと予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白血病細胞株に対する遺伝子導入は奏功し、概ね解析を修了することができた。 CD34陽性造血幹細胞に対する遺伝子導入に難渋しており、その後の解析に苦慮している。遺伝子導入方法の変更やCD34陽性細胞の培養方法につき、改良が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
造血幹細胞の分化・生存におけるLUC7L2の役割を解明することが本研究のもっとも重要な命題である。網羅的解析に使用可能なほどのCD34/shLUC7L2が得られなかったことが問題となっている。白血病細胞株から得られた上述のアポトーシス関連遺伝子Bimのアイソフォーム発現変化やがNotch3の発現亢進の状況を造血幹細胞を用いて検証する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度で検証された事象を異なる生化学的手法(western blott法)にて解析をする予定であったが、該当抗体の発注が年度を繰り越したため。
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