2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞内コレステロールを標的とする新規の白血病治療法の開発
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16K09851
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
久保田 寧 佐賀大学, 医学部, 病院講師 (60570413)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シクロデキストリン |
Outline of Annual Research Achievements |
難溶性医薬品の溶媒である2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン (HP-β-CyD) が、慢性骨髄性白血病 (CML) 細胞からコレステロールを引き抜き、CML細胞のみならずCML幹細胞にも抗腫瘍作用を示す可能性を見出した (PLoS One. 2015)。本研究では、HP-β-CyDの作用機序をより明確にするとともに、最近の治療法の進歩に乏しい急性骨髄性白血病 (AML) に対する効果についても検討する。さらに臨床応用に向けて、より高い効果を得るために、葉酸など各種修飾を加えたHP-β-CyD の効果についても調べる。 本年度はまず、HP-β-CyDの細胞増殖抑制作用がCMLのみではなく他の白血病細胞株でもみられるのかどうかについて調べた。急性骨髄性白血病細胞株HL-60、急性リンパ性白血病細胞株NALM6、T細胞性白血病細胞株Jurkat、MOLT4、成人T細胞白血病細胞株MT1、MT2それぞれでMTTアッセイを行った。いずれの細胞株もIC50は4-8mMであり、対照として用いた肝細胞より有意に低い濃度であった。次にこれらの細胞がCML細胞株と同様にHP-β-CyD曝露によって細胞周期停止をきたすかどうか調べた。その結果、CML細胞株と同じようにG2/M期で細胞周期が停止することがわかった。今後は急性骨髄性白血病細胞を主要なターゲットとして実験を進めていく予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
良質の細胞株をそろえること、試薬の調整に時間を要したことからやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画のとおりに急性骨髄性白血病細胞株に対するシクロデキストリンの抗白血病作用の検証を引き続き行っていく。葉酸修飾シクロデキストリンについてもその効果を調べる。
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Causes of Carryover |
今年度は、あまり高額な試薬や設備を必要とする実験系を組むことが少なかったことが次年度使用額が生じた大きな要因と考える。次年度は、より多数の細胞株についてそれぞれアッセイを行っていくこと、またin vivoでのマウス白血病モデルを使っての実験を計画していることから、免疫不全マウス購入費や飼育費に多額の費用が必要になるものと想定される。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、あまり高額な試薬や設備を必要とする実験系を組むことが少なかったことが次年度使用額が生じた大きな要因と考える。次年度は、より多数の細胞株についてそれぞれアッセイを行っていくこと、またin vivoでのマウス白血病モデルを使っての実験を計画していることから、免疫不全マウス購入費や飼育費に多額の費用が必要になるものと想定される。白血病モデルについては、可能であれば実際の患者さんの細胞を用いたPTXモデルを樹立したい。その場合には、超免疫不全マウスが必要である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] The novel BMI-1 inhibitor PTC596 downregulates MCL-1 and induces p53-independent mitochondrial apoptosis in acute myeloid leukemia progenitor cells2017
Author(s)
Nishida Y, Maeda A, Kim MJ, Cao L, Kubota Y, Ishizawa J, AlRawi A, Kato Y, Iwama A, Fujisawa M, Matsue K, Weetall M, Dumble M, Andreeff M, Davis TW, Branstrom A, Kimura S, Kojima S.
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Journal Title
Blood Cancer J
Volume: 7
Pages: e527
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Famotidine-induced reactive plasmacytosis and generalized lymphadenopathy: a case report and review of the literature.2016
Author(s)
Hiroaki Kitamura, Yasushi Kubota, Noriyasu Fukushima, Tatsuo Ichinohe, Daisuke Hayasaka, Kazuharu Kamachi, Mari Yoshihara, Hidekazu Itamura, Takashi Hisatomi, Kazuo Wakayama, Eisaburo Sueoka, Shinya Kimura
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Journal Title
Int J Clin Exp Pathol
Volume: 9
Pages: 7680-7685
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 広範な皮下血腫と高度の貧血を呈した真性多血症と第XIII/13因子(F13)欠乏症の合併症例2016
Author(s)
嬉野 博志, 木塚 遥菜, 佐野 晴彦, 西岡 敦二郎, 進藤 岳郎, 久保田 寧, 安藤 寿彦, 尾崎 司, 惣宇利 正善, 片山 義雄, 小島 研介, 一瀬 白帝, 木村 晋也
Organizer
第78回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
2016-10-13 – 2016-10-15
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[Presentation] 輸血とHLA検査について2016
Author(s)
山田 尚友, 山田 麻里江, 中尾 真実, 久保田 寧, 末岡 榮三朗
Organizer
第17回日本検査血液学会学術集会
Place of Presentation
福岡国際会議場
Year and Date
2016-08-06 – 2016-08-07
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