2018 Fiscal Year Research-status Report
多発性骨髄腫における分子標的薬の効果を予測する血液中バイオマーカーの同定
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16K09855
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯田 真介 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50295614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桶本 和男 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教 (50415486) [Withdrawn]
前川 京子 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 客員研究員 (70270626)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / cell free DNA / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多発性骨髄腫の患者さんの、末梢血検体(血漿や血清など)中の物質を網羅的に解析することで、骨髄腫の進展・悪性度の獲得に関わる重要な因子と、治療薬(ボルテゾミブ・サリドマイド・レナリドマイド・ポマリドミド)の感受性に係る因子を同定することを目的としている。2018年度も昨年度と同様に、患者さんの血清中のcell free DNA解析として、特に予後不良な患者さん検体の末梢血中の遺伝子変異の経時的な変化を解析した。 当施設における2013年以降に診断された初発の多発性骨髄腫患者さん約80例のうち、生存期間が3年未満であった予後不良の骨髄腫患者さんの骨髄中の骨髄腫細胞および末梢血の血清cfDNAの両検体を、初発治療前、治療後再発、難治状態(多剤耐性時)の各段階の採取し、各段階での、次世代シークエンスを用いた検体間の遺伝子変異の数・種類の比較解析を行った。その結果、初発治療前時の検体間の比較では、骨髄中の骨髄腫細胞で検出された遺伝子変異の大半は、同時期に採取された末梢血のcfDNAの解析で検出されているものの、末梢血cfDNAの解析においては、骨髄中の骨髄腫細胞では同定されなかった遺伝子変異が多く存在しており、それらは治療経過とともに増加していた。このことは、末梢血の解析よって、髄外に存在する腫瘍細胞の遺伝子変異の種類を同定しさらにそれらの有無が予後予測につながるが可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでの研究で、骨髄腫患者さんの末梢血検体から血清中のマイクロRNAを網羅的に解析し、今回、血清中からcell free DNAを抽出し、その遺伝子変異解析を進めてはいるが、予後不良例での解析は着手できているものの、多数例での解析までには至っていない。また、マイクロRNAおよびcell free DNAともに、治療感受性や予後との関連の解析もまた本格的に着手できていない。cell free DNAの抽出方法の安定と、次世代シーケンス法による変異解析の系はほぼ確立できているため、臨床情報との関連の解析を除けば、計画していた研究は進捗しているため、全体としては遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を継続発展させ、引き続き多発性骨髄腫の進展・悪性度の獲得に関わる重要な因子と治療薬の感受性に係る因子を患者さんの末梢血血清中物質の網羅的な探索より同定することを目標とする。cell free DNAの解析では予後不良例だけでなく多数検体で解析を行う予定で、具体的には予後不良例と予後良好例の経時的な比較(初発から治療抵抗性に至るまで)を行い、末梢血中に現れる遺伝子変異が予後や治療の感受性にどのように関わっていくか解析していく予定である。また、すでに測定データが得られている血清中のマイクロRNAの解析においては、各個別の骨髄腫治療薬(ベルケイド、レブラミド、ポマリドミドなど)の効果に関わるマイクロRNAを、各マイクロRNAの発現量と、治療による効果(最良奏効効果や無増悪生存期間・生存期間など)を照らし合わせることで、バイオマーカーの候補となりうるものを同定する。さらに、遊離核酸のみならず、血清中の脂質代謝産物の解析も行う。具体的には、血清の脂質代謝物を酸化脂肪酸群とリン脂質群に分けて、それぞれ質量分析計を用いてその発現量の測定および構造解析を行い、プロテアソーム阻害剤や免疫調節薬などの治療効果と関連性のある脂質代謝産物を同定することを目標とする。
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Causes of Carryover |
理由:研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
使用計画:予定通りの物品の購入(メタボローム解析関連試薬やシークエンス関連試薬)を行う。
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[Journal Article] Low expression of neural adhesion molecule, CD56, is associated with poor efficacy of bortezomib plus dexamethasone therapy in multiple myeloma.2018
Author(s)
Yoshida T, Ri M, Kinoshita S, Narita T, Totani H, Ashour R, Ito A, Kusumoto S, Ishida T, Komatsu H, Iida S
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Journal Title
PLos One
Volume: 13
Pages: e0196780
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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