2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanism of cytokie receptor activation by mutant CALR
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16K09859
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
荒木 真理人 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80613843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 総司 順天堂大学, 医学部, 助教 (10635866)
小松 則夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (50186798)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨髄増殖性腫瘍 / CALR / MPL / JAK2 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィラデルフィア染色体陰性の骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、造血幹細胞の異常によって一系統以上の骨髄性細胞のクロ―ナルな増殖をきたす血液疾患である。2005年に、MPN患者において、サイトカイン受容体シグナル伝達において中心的な役割を果たす、チロシンキナーゼJAK2を恒常的に活性化する変異が見出された。この発見により、少なくともJAK2変異を有するMPN患者では、サイトカインシグナル伝達系の機能亢進によりMPNが発症していることが強く示唆され、その後のJAK2阻害薬の開発と、MPN患者への使用へと結びついた。しかしJAK2阻害薬は、患者の全身症状や脾腫を改善するものの、腫瘍細胞を完全に排除することができないことから根治に至らない。MPNの根本的な治療法としては、骨髄移植があるが、治療関連死のリスクや、移植不適応症例が多いことなどから、実際に移植の行われる症例はごくわずかである。これらのことから、MPN発症メカニズムの理解に基づき、完治を目指す新たな治療戦略の開発が望まれている。本研究課題では、MPNの新規治療戦略の立案に必要な、MPN患者の一部に共通して見出される、機能不明のCALR遺伝子変異によるMPN発症メカニズムの解明に取り組んでいる。これまでに、変異型CALRが、変異型蛋白質に特異的に存在するドメインを介して相互作用することでホモ多量体化すること、ホモ多量体化により惹起される構造変化が、トロンボポエチン受容体MPLとの相互作用と、下流のチロシンキナーゼJAK2の恒常的な活性化に必須であることを示した。これらの解析により、「変異型蛋白質によるサイトカイン受容体の恒常的な活性化が引き起こす細胞の腫瘍化」という、腫瘍生物学における新しい概念が打ち立てられた。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Boarding on the secretary pathway is required for the oncogenic property of mutant calreticulin2018
Author(s)
Araki M, Masubuchi N, Hayashi E, Yang Y, Imai M, Kihara Y, Mizukami Y, Hironaka Y, Edahiro Y, Ohsaka A, Komatsu N.
Organizer
23rd Congress of the European Hematology Association
Int'l Joint Research
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[Presentation] 変異型CALRの多量体化はMPLとの結合と活性化に必須である2018
Author(s)
荒木真理人, 楊印杰, 今井美沙, 水上喜久, 木原慶彦, 角南義孝, 増渕菜弥, 枝廣陽子, 弘中由美, 大佐賀智, 大坂顯通, 小松則夫
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] トリプルネガティブ本態性血小板血症症例の臨床像と遺伝子変異.2018
Author(s)
稲野資明, 荒木真理人, 福田泰隆, 森下総司, 落合友則, 三澤恭平, 伊藤雅文, 山本紘司, 楊印杰, 田口鉄平, 枝廣陽子, 今井美沙, 後藤明彦, 大坂顯通, 小松則夫.
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] 細胞減少療法はPMF患者における腎機能の悪化を防止する.2018
Author(s)
福田泰隆, 荒木真理人, 山本紘司, 森下総司, 稲野資明, 三澤恭平, 落合友則, 枝廣陽子, 今井美沙, 後藤明彦, 大坂顯通, 小松則夫.
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] 骨髄線維化を伴う骨髄異形成症候群の臨床病態および分子発症機序の解明.2018
Author(s)
新谷直樹, 原田浩徳, 原田結花, 飯塚弘子, 森下総司, 荒木真理人, 大坂顯通, 土岐典子, 大橋一輝, 萩原政夫, 小松則夫.
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] SLAMF7high CD16negative Monocytes Increase in Peripheral Blood of Patients with Myelofibrosis in Correlation with JAK2V617F Mutation2018
Author(s)
Maekawa T, Kato S, Okada Y, Tachi N, Teramoto M, Kawamura T, Osawa Y, Kobayashi S, Sato K, Hashimoto M, Suzu S, Usuki K, Morishita S, Araki M, Komatsu N, Kimura F.
Organizer
60th Annual Meeting & Exposition of American Society of Hematology
Int'l Joint Research
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