2016 Fiscal Year Research-status Report
RNA-seqを用いた複雑核型を呈する造血器腫瘍の遺伝子異常の同定と機能解析
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16K09860
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
安部 明弘 藤田保健衛生大学, 医学部, 客員准教授 (00432261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵美 宣彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30185144)
山本 幸也 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90410703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA-seq / 融合遺伝子 / 染色体転座 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.多重転座を含む複雑核型等を有した造血器腫瘍におけるRNA-seq解析。新たに複雑核型を有した急性骨髄性白血病7検体、ユニークな染色体転座を有した急性骨髄性白血病2検体、初診時と再発時の保存検体がある1例(2検体)、新たに樹立した細胞株1検体の計12検体についてRNA―seq解析を行った。興味深い融合遺伝子として、ETV6-IAPP、ETV6-ABCC9、TCF4-MAML3、ARMC7-BLMH、CMC4-NCOA1など多数の新規融合遺伝子を同定した。また、初診時と再発時の白血病検体が得られている症例でRNA-seqを行い、再発時に出現あるいは割合が増加した遺伝子変異として、KRAS G13D(0→57%)、RAP1GAP A107T(5.3→40%)、PRAME V320M(0→32%)、PDE4DIP A127T(4→32%)を同定した。 2.データの解析手法の改善。ショートリードのデータ解析用のソフトとして、市販のCLC genome workbenchとオープンソースの融合遺伝子解析ソフトTopHat-Fusionを使っているが、他にもdeFuseをインストールし、複数の解析ソフトで多面的に解析できるようにした。 3.新規融合遺伝子の機能解析。CNOT6-ARHGAP44(CA)およびRUNX1-GRIK2(RG)融合遺伝子をクローニングし、それぞれFlag-tag、HA-tagを付けてレトロウイルスベクターに挿入し配列を確認した。HEK293およびIL-3依存性32D細胞に遺伝子導入し、ウエスタンブロット法でタンパクの発現を確認した。32Dについては、CAのみ、RGのみ、CA+RG両方を遺伝子導入した3種類の細胞株を作成し、サイトカイン非依存性の増殖が見られるか解析したが、何れもIL-3なしでの増殖維持はできなかった。現在、多面的に細胞形質の変化を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.概ね予定通りの進捗状況である。本年度は新たに12検体でRNA解析を行い、予想以上に様々な融合遺伝子が同定された。複雑核型を呈した症例ではほぼ全例から新規の融合遺伝子が得られた。 2.より質の高いコンピュター解析を行うためオープンソースの解析ソフトdeFuseを加えてデータ解析を進めるとともに、多数例のデータを、エクセルのマクロ機能を使って解析するためにプログラムの構築を行っている。 3.CNOT6-ARHGAP44およびRUNX1-GRIK2融合遺伝子についても、順調にクローニングが進み、細胞株でのトランスフォーマントの作成が終了した。 4.12番染色体に異常の見られた2症例から見出したETV6-IAPPおよびETV6-ABCC9融合遺伝子は、それぞれETV6のexon 1とIAPの5’UTR、ETV6のexon 4とABCC9の5’UTRが融合した形を取るが、フレームが合わずストップコドンがでるため両者とも融合タンパクとしては発現しない。しかし、どちらも白血病では通常発現が見られない遺伝子であるため、転座による異所性遺伝子発現による影響性が疑われる。ETV6のエクソンを含む形であっても機能的なタンパク発現が見られるか解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本年度も、複雑核型あるいはユニークな染色体転座を有した症例等について12例程度の白血病症例で、RNA-seq解析を追加する予定である。予想以上に多数の融合遺伝子が検出されている点については、コンピューターソフトの性能や正常範囲での遺伝子構造変化などの問題が考えられるが、正常骨髄でのRNA-seq解析データを積み重ねて、正常でも見られる異常を除外するなどの統計処理が必要になる。多症例での解析データに横断的に検討を加え、再現性のある異常について統計的に解析するため、マイクロソフトエクセルのマクロ機能を使って統計処理するプログラム作成に取り組んでいる。また、初診時と再発時における遺伝子解析を行った症例から細胞株が樹立されたため、この細胞株でRNA-seqを行い、遺伝子変異および融合遺伝子の変化について解析する予定である。 2.新規融合遺伝子の機能解析については、CNOT6-ARHGAP44およびRUNX1-GRIK2をIL-3依存性細胞株32Dに遺伝子導入した32D/CA、32D/RGおよび32D/CA/RGを用いて、サイトカインへの反応性、細胞遊走と接着および分化への影響などを解析する予定である。ETV6-IAPPおよびETV6-ABCC9については、IAPPおよびABCC9にフレームを合わせてGFPを導入したコンストラクトを作成し、遺伝子発現をGFPによって可視化し解析する予定である。発現が見られるようであればさらに遺伝子全体をクローニングし機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
RNA-seq用の遺伝子ライブラリー作製試薬については、昨年度から使っていた残薬があったため新規に購入する必要がなく、予定額に対して残額が生じた。また、新たにRNA-seq用のキットを購入するには残額では不十分であるため、本年度の研究費と合わせて購入に充てる予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNA-seq用のクラスター作成、フローセル等のキットは高額であるため、本年度の研究費と合わせて購入に充てる予定である。また、ライブラリー作成用のキットも補充購入が必要な状況であり、計画的に研究費を使う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Autologous hematopoietic cell transplantation for acute promyelocytic leukemia in second complete remission: outcomes before and after the introduction of arsenic trioxide2017
Author(s)
Yanada M, Yano S, Kanamori H, Gotoh M, Emi N, Watakabe K, Kurokawa M, Nishikawa A, Mori T, Tomita N, Murata M, Hashimoto H, Henzan H, Kanda Y, Sawa M, Kohno A, Atsuta Y, Ichinohe T, Takami A
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Journal Title
Leuk Lymphoma
Volume: 58
Pages: 1061-1067
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] ETV6-LPXN Fusion Transcript Generated by Gain of t(11;12)(q12.1;p13) in a Patient with Relapsing Acute Myeloid Leukemia with NUP98-HOXA92016
Author(s)
Abe A, Yamamoto Y, Iba S, Kanie T, Okamoto A, Tokuda M, Inaguma Y, Yanada M, Morishima S, Mizuta S, Akatsuka Y, Okamoto M, Kameyama T, Mayeda A, Emi N
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Journal Title
Genes Chromosomes Cancer
Volume: 55
Pages: 242-250
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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